驚愕よりも恐怖?!労務管理最前線。労働時間の落とし穴。

 

驚愕よりも恐怖。

驚いたよりも、これからの中小企業の経営へ大きな問題が近づいていると不安を感じました。

 

先日参加した、弁護士の伝える労務管理最前線シンポジウム。

弁護士さんと、社会保険労務士さんによるこれからの労務管理。

 

今、あなたの企業で当たり前に行われていることが、もしかしたら大変なリスクになっているかもしれません。

 

これから経営者は、会社はどのようにしていくか。

深く考えさせられる内容です。

 

 

1.法律的労働時間の捉え方。法律と現状認識は明らかに違う。労働時間の落とし穴。

 

法律では、労働時間は“使用者(つまり会社)の指揮命令下にある時間”をされているとのこと

これが大前提。

例えば、時間や場所の拘束。

この中には、準備時間や後片付け時間も入ります。

指示をしていなくても黙認していれば、それは労働時間に該当。

 

お付き合いの多い食品製造メーカーの場合。

よくあるのが就業時間前に作業着に着替え、朝礼をして、それから始業。というケース。

この場合は、着替えの時間から労働時間という扱いになるそうです。

経営者としては、始業時間から全力で仕事をするのが当たり前。

その前の着替え時間は労働時間に入らないと考える方も多くいらっしゃいました。

ですがそれはアウト!

労働時間として、給与を払う義務が生じます。

 

また、講演で伺った事例によると。

大きなショッピングセンターにテナントで店舗が入っているケース。

各店舗にはロッカールームがなく、全従業員用のロッカールームが館内に設置され、そこから各店舗へ移動することがあります。

今までの考え方であれば、店舗に立った時から労働時間。

こう考えてしまいます。

ですが、この場合。

ロッカールームに入って身支度をし、店舗まで移動する時間も労働時間ということ。

大きなショッピングセンター。ロッカールームまで歩いて5分もかかる場合。

店舗のオープン前、閉店後の館内移動だけで、

毎日、往復10分。1ヶ月20日労働で200分。一年間で2400分(40時間)

仮に時給1,000円とすると、年間でプラス40,000円も支払うことになります。

 

これは経営にとって大きなマイナス要因になります。

しかも、請求されたら必ず払わなくてはならない。

全従業員に。もしも労働時間が時間外ということになれば、さらに1.25倍。

 

そんなことはおかしいじゃないか。

働くにあたって、仕事に臨む準備は個人の責任。

お店に立ったり、工場で製造に入った時から価値が生まれる。

そう思う方もいらっしゃると思いますが、法律は違う。

ここが労働時間の落とし穴です。

 

 

 

2.労働時間を間違えば、会社経営・財務に与えるダメージは極大!

 

もしも、労働時間の捉え方が法律と違っていた場合。

従業員から請求されれば、給与を支払う必要が生じます。

 

この場合のリスクは、2年前に遡って一括請求・支払いということ。

2年前に遡って不足分の給与を一括で払う。

これは会社の資金繰りにとって大きなダメージになります。

 

仮に従業員から請求されて、経営サイドが支払いを渋り、

和解ではなく、裁判になった場合には、

(このケース。ほとんどの場合、企業側が負けるとのこと)

制裁金として、支払いとほぼ同額の付加金。

シンプルに言えば、支払う額が倍になり、一括で支払うということ。

しかも、年利5%の利息までついてきます。

 

 

さらに言えば、

・会社としてのブランド力低下、信用の失墜

・社内外の不安増幅

・刑事罰(懲役や罰金)

 

など会社経営や、財務に与える影響は計り知れません。

 

 

3.法律や世の中は、唖然とするほど労働者側を守る方向へ。

 

世の中は労働者側を守る方向へ大きく舵を切っています。

経営者サイドの状況はお構いなく。

今まで、日本人が美徳としてきた働くことに向かう姿勢までも変えていく勢いです。

 

過重労働や長時間労働。

過労死、メンタルヘルス。

ブラック企業。仕事を苦にして命を絶つ選択をした従業員。

これらを強烈に守ろうとする世の中の流れ。

 

確かに、超長労働時間や、残業代を払わないなどは問題外として。

少し行き過ぎていると感じるのは、私だけでしょうか。

 

法律で、過労死と認定する場合。

1ヶ月でも、時間外労働が100時間を超えることがあれば過労死の原因として考えられる。

週45時間の時間外労働があった場合でも同じ。

1日、3—5時間? 自分の若い頃を振り返って、そんなことが当たり前にあったと思う。

うーんと考える方もいらっしゃるかもしれません。

 

 

ですが法律がある以上、それを遵守できるよう経営の在り方を変えていく時期に入っていると感じます。

労務管理だけではなく、定額残業性や過労死・メンタルヘルスに関する問題なども生まれています。

とにかくリスクが大きい。一歩間違えれば、会社を潰す結果になるからです。

 

 

4.社会保険労務士と弁護士とつながっておく必要性

 

これら労務管理のリスクを回避する専門家として社会保険労務士と弁護士がいます。

 

社会保険労務士は、労務管理の問題が起きないように社内体制を整える支援を。

弁護士は、いざ従業員からの請求や訴訟が起きた時に。

 

2つの専門家をその時の状況に合わせて活用することがポイント。

経営者としては、労務管理に強い専門家人脈を作っておくことが最初のリスク対策です。

あなたの会社を訴えます!従業員が弁護士を連れてやってくる近い未来。

 

5.経営として何をするべきか。

 

とは言え、経営者にとって、社員や従業員も大事だけど、

どうしても考えてしまう心配事。

やはり、従業員に払う給与や利益確保、会社存続のことではないでしょうか。

 

世界で3番目の経済大国である日本。

ですが、一人当たり生産性は先進国の中では下位にとどまっています。

 

労務管理と合わせて、経営者が考えなくてはいけないのは、生産性をどのように高めるか。

準備の時間に給与を払っても大丈夫なように、仕事時間の生産性や価値をどのように高めていくかを真剣に考えておくことが大事です。

 

今と同じ時間で、今以上の価値を生み出し利益へと変換していく。

今よりも少ない時間で、今以上の価値を生み出し利益を高めていく。

 

準備の時間に給与を払ったら商売がうまくいかない。経営できない。

と憤るのではなく、

どうやったら、そこまでの給与を払っても商売で利益ができるかを考える。

 

その取り組みが結果として、経営者も従業員も幸せにしていくと感じます。

高い値づけでも、値上げされても買いたい商品の価値

脱価格競争!地方でも田舎でも関係ない!高価格でも商品が売れる企業に共通する3つのこと

 

 

6.経営を変える方向は。価値を高め利益の取れる価格で売れる商いへの道を目指す。

 

これから日本の人口は約40年間で、3700万人減少すると言われています。

単純計算で年間平均90万人減っていく。

東京都世田谷区が約90万人。

仙台市が人口108万人。新潟市は80万人。

秋田県は人口100万人くらい。

 

これだけ人口が減っていけば、客数や一回あたりの購入点数は減っていく。

客数は商圏拡大やWeb・通販の強化を目指すことで改善する可能性がありますが、購入点数の減は止められない。

 

働き手は不足する。しかも労働時間は今まで以上に厳しく、短くなっていく。

その流れの中で、中小企業の経営者が強く意識しなければならないのは利益重視の経営。

 

商品やサービスの価値を高め、利益の取れる適正な価格で買ってもらえる商いへの転換です。

 

しかも、この判断は経営者しかできません。

今がその判断、決断をする時です。

中小企業の働き方改革 経営者編(働き方、時短、生産性向上)

 

労務管理がより厳しくなる問題は、経営にとって大きな転換を後押しする要因になります。

経営者だけでなく、従業員もその状況に入ることがわかっているからこそ、会社全体を変えるチャンスであるとも言えます。

 

今回参加した労務管理シンポジウムでは、これら労務管理のリスクを防ぐ方法として、

・会社と個人の労働時間の整合性をとること

・従業員との意識共有や意見交換

・基本給と固定残業代の明記

・社会保険労務士と弁護士の上手な活用

 

などが提示されました。

ですが、経営者にとって一番の悩み事は会社をどのように存続していくか。

労働時間減、人件費上昇の中でも生き残れる利益体質作り。

 

ここにあるような気がします。

ヒト・モノ、そしてカネ。

どれが欠けても商いはできない。

 

世の中は明らかに“ヒト”に偏った動きをしています。

その流れを見つつ、会社の利益をどう高めるか。

 

今回の労務管理シンポジウムは驚いたよりも、恐怖が先立ちましたが、

今に憤るのではなく、この状況をどのように乗り越えていくか。

こちらが大事なように思います。

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