中小企業の利益を3倍にする経営改善コンサルタント 本田信輔です。
2024年6月に帝国データバンクより発表された調査統計によると、「街のケーキ店」を中心とした洋菓子店の倒産は過去最多ペースとなっています。
世の中の物価高による買い控え、経営面では原材料増やコスト増が続いていたところに加え、給与アップと社会保険料の上昇により人件費は大きく上昇。特に中小菓子店や洋菓子店では物価高騰と人件費の増加が経営を直撃。大きなダメージや先行き不透明から経営存続を考え始める方も増えています。
しかし、このような逆境の中でも利益を出している企業が存在します。
・技術力には自信がある
・お客様や地域からの一定評価も得ている
・今までは利益が出ていた、だけどここ数年、売上も利益を減ってきている
・ダメと思うけど、ついつい「地方だから」「地域の人口が減っているから「を理由にしてしまう。
・経営者も従業員も今のままではダメだと感じているのに、何に頑張ったら良いかが見えない。社内にも危機感はあるが、なんとなくマンネリ化もしている
・原材料やコストも上がっているし、給与も上げたい。そのためには価格に手をつけないといけないのに、動きが弱い
・次の代を見据えて、目先だけではなく、ちゃんと継続して利益が出る会社にしたい
多くの経営者が同じ悩みを抱えつつなかなか利益を出せず、厳しい状況が続いています。
一方で、利益を出している企業の経営者は今までの経験だけに頼るのではなく、環境の変化に合わせて自らの考えを改善し、社内での動きを変え、収益を高めることに成功しています。
今回は、昨今の厳しい環境下でも利益を出している企業の経営者やオーナーの考えとその取り組みについてお伝えします。
目次
1.社長が変わること。それが新しい利益体質への第一歩
物価高騰や人件費の増加という現在の状況では、「コストを下げる」という従来の収益改善策では効果を上げにくくなっています。経営者が今までの考えに捉われ、単純なコスト削減に傾倒してしまうと根本的な解決には至らず、むしろ経営にとってマイナスの影響を与えることも増えてきています。
厳しい環境下でも利益を出している会社の経営者は、利益の出し方や生産性改善に対する考えを変えています。「コストを下げる」ことから、「価値を高めること」と「適正な価格で販売すること」に焦点を当てた新しい収益獲得への意識変化です。
最近は全国の商工会さんでこれらをテーマにしたセミナーや勉強会が開催されています。今読んでいただいているブログの記事でも構いません。ご自身の周りにはきっかけになるようなことがたくさんあるはず。その中で経営者自身が変わり行動に移すこと。それが新しい利益体質へ変わる第一歩になっています。
2.単なる値上げからの脱却。価格見直しをきっかけとした意識改革と商品改革
今、利益を出している企業では、価格の見直しを単なる「値上げ」ではなく、全社的な意識改革や商品やサービス全体の見直しにもつなげています。
(1)商品価格を20%値上げ
値上げの方法については、別のブログ記事に記載していますが、20%の値上げを目安に全商品の価格見直しをしています。
値上げ率と客数・販売数の減少については一定の法則がありますので、それらを参考にしています。また値上げ(価格変動)の回数が多いほど客数は減りやすく、お客様が商品の価値よりも価格に注目が集まってしまう点も考慮しています。
値上げの時期については、繁忙期の直後〜次の繁忙期の1.5ヶ月前が最も効果のあるタイミング。ご自身の業界に置き換えてみてください。1年間でそれほどチャンスが多くはありません。上手に値上げをする経営者は少ないチャンスを見定め、計画的に準備し取り組んでいます。
(2)全商品の価格見直し。値上げをきっかけとした利益を出せる商品構成へ
全ての商品をリスト化し、一つ一つ価格の見直しを行なっています。
価格見直しで優先順位が最も高いのは主力商品。自社で一番お客様からの支持が高く、売上の大きい商品です。
逆に売上の低い(お客様の支持が低い)商品の価格改定をするだけだと効果はありません。利益改善の成果が小さい上に、値上げが単なる「ダメージ」となってしまい、結果として全体の売上や利益を減少させるからです。
商品によっては値上げに耐えきれず売れなくなる商品も想定しています。それら商品はリニューアルやスクラップ、限定商品や季節商品への変更も検討。
また企業として思い入れのある商品については徹底的に議論します。どうやったら値上げに耐えられるか、リニューアルや提供方法の見直しなども含めて商品が存続できる道を模索することも行ないます。
「値上げで売れなくなる」とマイナスに捉えるのではなく、商品の価格から各商品の方向性を改めて見直すことで、厳しい環境下でもお客様に支持され、会社にとって利益を生み出す商品構成へと進化させていることも利益を生み出す原動力になっています。
3.値上げとともに考える「価値を高め方」を実践
今の環境下だと、値上げの理由に原価高騰やコスト増を上げるケースが多くあります。
ですが、利益を生み出している会社の経営者はそれだけとは考えていません。
一歩考えを深め、「商品やサービスの価値」を高めることで、値上げの理由をつけています。
(1)値上げ額を共通目標に価値を高める考え方
利益を生み出している会社の経営者は「値上げしても選択してもらえるように商品やサービスの価値を高める」ことを考えます。
逆に利益を出せない経営者は値上げを考える際、「今の商品やサービスの価値で考え、値上げが厳しい」と判断してしまいます。「商品やサービスの価値が上がったら値上げしたい」と相談される経営者の方もいらっしゃいますが、このケースは大体いつまで経っても商品やサービスの価値が上がることはありません。なぜなら、どのように商品の質やサービスを上げるのか?目標が定まっていないからです。
利益を生み出している経営者は、「値上げ」を自社の成長目標として設定しています。
「値上げした分、自分たちが成長する」と考え、値上げを先に実行します。
値上げに抵抗したり不安に感じている社内や従業員に対しても、
“今の商品やサービスに値づけするのではない” “値づけや値上げにふさわしいように自分商品やサービスの価値を高めていく”と発信することで、社内の意識改革や、共通の成長目標で協力し合える空気を作り、継続的に価格と価値を高めることができる基盤づくりをしています。
(2)ちょっとした価値を徹底的に高める
値上げをした際に、増えるクレームはなんでしょうか。今まで500社以上、幅広い業種の値上げをお手伝いしてきたケースから断言できるのは、
「商品についてのクレームはほとんどない。増えるクレームのほとんどは掃除や整頓の不徹底や身だしなみに関すること」です。
お客様はあなたの会社の商品やサービスを気に入っているから選択してくれているのです。ですがやっぱり値上げをされると期待値は上がる。その期待値は・・・掃除や整理整頓、身だしなみといった基本的なことに向けられます。
このことはコンサルティングの現場でもよくお伝えすることです。値上げを実施していただくクライアントには「値上げ前に掃除と整理整頓を徹底的、今までに以上に行なってください」と提案します。
建物が古くてもしょうがありません。ですが古いと汚れている・散らかっているは別です。
利益を生み出せる企業や店舗は掃除や整理整頓のレベルが高く、身だしなみもちゃんとしている。利益を出している経営者はこのことを知っています。商品やサービスの質を上げるだけではなく、基礎レベルを高めることも価値向上につながると知っているので、値上げをきっかけとして社内の基礎力向上を推し進めています。
(3)伝える内容、伝え方、提供方法を変えて価値アップ
食品業で言えば、今作っているものの品質を高めるのは容易ではないと言われる方もいらっしゃいます。原材料も最適・最高なもの使い、技術的にも、、、と商品自体の質を高めることに対して難しいところがあったり、時間がかかったりすることも多くあります。
「簡単に商品の質や価値を上げるのは難しいよ!」と言われることもあります。
そういった方へは、今の商品の質をお客様にとって“価値がある”ということを改めて伝えましょうと提案します。
伝える情報・・・価格しか伝えていない、昔から使っている文言から変わっていない。
伝え方・・・古い写真や画像で見た目から価値を感じない。今の時代の解像度になっていない。
提供方法・・・本当は出来立てが美味しいのに、作り貯めして販売している 等々
商品は同じでも、上記のことを見直すだけでお客様に商品の価値は高まります。
今の商品であっても、伝えきれていない価値がある。伝わっていない価値がある。
実際には自分たちの強みがたくさんあるにも関わらず、それがお客様や地域に伝っていない。
その考えを知っている経営者は、商品を変えることなく、伝え方を変えることで価値を高めています。コストをかける必要はありません。大事なのは足元に眠っている商品の価値や自分たちの強みや技術を見つけ出す取り組みに挑むかどうかです。
特に主力商品の価値アップは、値上げイメージの払拭だけではなく、商圏の拡大、新規客の獲得、収益性のさらなる増加を見込め効果大です。
→主力商品の価値を高め、売上を伸ばす 日本一会議企画についてはこちら
4.値上げの先にあるものを共に考え、前に進みたい
物価高騰と人件費増と人手不足など、経営を取り巻く環境が厳しい中でも利益を出している企業や店舗の経営者は、値上げの先にあるものを見据えています。
「利益を確保するもの=値上げ」にとどまるのではなく、
・経営者も含めた従業員全体の収入を増やしたい
・地域の中で自分たちの存在が必要とされ、これからも続くようにしたい
・会社で働いてくれる人たちやその家族に、仕事に対する誇りを持てるようにしたい
・まだまだ新しいことにチャレンジして、自分たちの会社の可能性を高めたい
・次の代を見据え、強い経営基盤を作りたい
これら将来像を社内で共有し、そのための利益を確保するきっかけとして「値上げ」を実施し、利益を高めることに成功し、中には業界内でもモデルとなるような高収益企業を生み出しているケースも生まれています。
もちろん「値上げ」や「価格の見直し」、今までの考えからの脱却に対する不安は大きいでしょう。これらをサポートし、経営者と共に“利益を出せる会社づくり”をするためにミタス・パートナーズは存在しています。
私たちの考える、利益を出せる会社とは。
=Unique!(ユニーク)=
その会社や地域ならではの価値を最大限に活かした、独自のビジネスモデルを提案し、具体化へのサポートをすること。
=Pride(プライド)=
その会社で働く経営者や従業員が誇りとするような仕事にすること。地域の人たちや子供たちにとっても誇りや未来への憧れにつながる事業にすること。
=Profit(利益)=
価値づくり、適正な価格による販売によって地方で頑張る中小企業の利益を3倍にすること。
これらをサポートし、具体化するためのプログラムがプライド3倍・利益3倍プログラムです。
一方的な指導・アドバイスというスタイルではなく。
クライアントと私たちが双方の意見を出し合い、パートナーとして伴走していく。
共に成長し、効果的に成果を上げていくための取り組みです。
価値を高め、それに見合った価格で販売していく。その原則はどんな環境でも変わりません。
創業以来、規模・地域・業種を問わず様々な会社や店舗で導入をしていただき、成果を上げ、さらに成長を続けているプログラムです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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