経営のこと

コンサルティングを受ける経営者の“家族側”から見えたこと

私は、俗にいう「風が吹けば飛ぶような」地方の小さな菓子店の子どもとして生まれました。
そして、菓子店を経営していた父母は素晴らしいコンサルタントとの出会いをえて、会社は少しずつ大きくなり、地域でもある程度名前が知られる規模になりました。

コンサルティングを受ける中小企業経営者の子どもとして、今や自分が現役コンサルタントとして活動している立場から、当時を振り返った内容を書いてみました。

1.子どもながらに感じた「経営者とコンサルタント」の存在

我が家にコンサルタントの方が来るようになったのは、小学生の頃。
事務所もないような小さな菓子店。自宅の居間に見知らぬ大人が来て、両親と打ち合わせをしている。正直に言うと、これぐらいの記憶しかないんです(笑)

コンサルティング支援が始まっても、提案された計画通りに売上が上がらない。提案されたことがうまく出来ない。などしばらくは経営の厳しい時期が続いたと聞いています。

ただ覚えているのは、時間をかけて少しずつ何かが変わっていくこと。
新しい工場と店ができる。従業員さんが増える。両親が経営者になっていく。
「資金繰りのこと」「従業員さんのこと」こういった話がここかしこに出てくる。
家族の時間に、厳しい表情や話はしていませんでしたが、生活のどこかにはそういった話題があったように思います。

当時をもう少し思い返せば。その厳しい時期を超えてから、少しずつ生活が良くなってきていたように思います。
いつも乗っている車が、店名の描かれた商用バンから、自家用車に変わる。
工場の2階にあった風呂なしの自宅が、風呂ありの一軒家になる。
ただの手伝いだった工場の仕事に、アルバイト料を出してもらえる。
会社が大きくなってくれたおかげで、大学にも通わせてもらった。

現役コンサルタントとして今ながらに思うのは、中小企業の経営は、子どもにとって遠い話ではなくて、生活に直結するものだったのだなと思います。

2.「先生」ではない。コンサルタントは何者だったのか?

当時を知る方から聞くと、私はコンサルタントの方が来るたびに、悪意を持った目で見ていたそうです(苦笑)
両親に難しいことをさせる人。提案されたことがなかなか形や成果にならないと悩む両親。
そんな姿を見ていたのかもしれません。

ですが、コンサルティングを受けている両親はそう思っていなかったそう。
父親曰く。経営者とコンサルタントの関係は「スポーツ選手とトレーナー」
同じ目標に向かって、協力するパートナー。
自分たちが経営をしていく中で、客観的に見てくれて、足りないところを教えてくれる。経営者が思うことを投げかけ、一緒に考えてくれて、自社なりの勝ち方を作り上げていく対等の存在。

だからこそ、両親は「先生」とは呼ばず、いつも「○○さん」と呼んでいました。
コンサルタントは、先生ではなく、魔法使いでもなく、神様でもない。
言われるがままではなく、自分たちなりの想いや考え、わからないこと、成果がなかなか出ない取り組みに対する考えを投げかけ、よく相談していたように思います。

3.コンサルタントも「人」の泥臭い関係

父はコンサルタントの方と協力しながら、会社を成長させてきました。

提案されたことが全て成果に繋がったかどうかはわかりません。

会社が辛い時期も、提案された計画通りに売上が行かない時もそれなりにあったと聞いています。

よく父が言っていた言葉で、心に残っているのは。
「コンサルタントも人。提案した取り組みを頑張ってやろうとする人にはより応援してくれる。親身になってくれる。逆に、提案されたことをやろうとしないクライアントには気持ちも入らないし、親身になってと言うのは難しい」

コンサルタントと父の打ち合わせは、ほとんどが「どうやったらできるか?」だったと思います。
提案されたことがなかなか実現できない、成果につながらない。
そう言う時に「どうやったらできるのか、どこを治したら成果につながるのか」
そういうスタンスでコンサルタントの方と議論していた。

コンサルタントへ、父なりの考え方をぶつけ、会社を見つめ直したり、やり方を変えてみたり。家族には言えない悩みもあったはず。

そう言った誰にも相談できない悩みを吐露し、共有できる相手として、コンサルタントの方がいてくれたからこそ、経営を続け、会社を成長させることができた。
今振り返ってみると、そう思います。

4.現役コンサルタントとして、自身が歩みたい道

大人になり、自分自身がコンサルタントという職業を選択している今。
ミタス・パートナーズという会社を立ち上げ、経営者にもなった今。
子ども時代に経験した、コンサルティングを受ける両親をみていた立場から感じたことは、今の自分のコンサルタントの原点として大きくあります。

両親を悩ませる存在だったコンサルタントが、実は一番の理解者だったこと。

今、クライアントと打ち合わせをする時、その後ろ側にある、一緒に頑張ってくれている「ご家族」や「従業員さん」を私は想像することがあります。

会社の数字をよくするだけじゃない。「会社の未来」だけじゃなく、「家族の未来」も作っていく
中小企業のコンサルティング現場で相談を受ける内容は、数字や業績を上げるだけにとどまりません。従業員との向き合い方、地域との関わり方、家族の悩み。色々な「生活」がより密接に重なっている。それが中小企業の経営です。

そこにいる経営者は孤独。

私も経営者になってそのことを実感しています。

成果が出ない時、取り組みがうまくできない時。頑張っているのに経営がなかなか楽にならない。そんな時、父の「どうやったらできるか?」という悩みに共に向き合い、一緒に考えてくれて、歩んでくれた存在。

経営者が抱える孤独に寄り添える存在になること。

そこに関わることは重い責任ですが、同時に身をもって、この存在が大事なことを知っているからこそ、私は「先生」ではなく同じゴールを目指す「トレーナー」として。

自分たちなりの勝ち方を見つけ、「どうやったらできるか」を一緒に議論できるパートナーであり続けたいと思っています。

 

【筆者プロフィール】

中小企業の利益を3倍にする経営改善コンサルタント
本田信輔(株式会社ミタス・パートナーズ代表)
地方の中小企業を中心に、「強みの再発見と価値化で利益を高める」「価格より価値で選ばれるブランドづくり」を支援。

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経営者は孤独です。
自分が経営者になってみて、改めて実感しています。
そして、正解のない判断を一人で抱え続けています。
そういう気持ちをわかるコンサルタント。

もし、
「誰かに話を聞いてほしい」
「気持ちをわかってほしい」
そういう方の相談。私でよければ伺います。

経営者の判断に寄り添う相談を大切にしています。

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