中小企業の利益を3倍にする経営改善コンサルタント 本田信輔です。
先日のゴールデンウィーク、3年ぶりに千葉県浦安市にある東京ディズニーリゾートへ行ってきました。
「わざわざ混み合うような時期になぜ?」「行列に並びにいくようなものじゃない?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、現在のディズニーリゾートは、ディズニーランド、ディズニーシーともにコロナウイルスの感染拡大防止の観点から、各パークの入場者数をピークの半分前後まで制限しているため、ゴールデンウィークとはいえ、コロナ前の“混雑している平日レベル”の混み合いということだとも聞いていましたので、これは大きなチャンスだと。
ですが、それ以上に今回のディズニーリゾートに行って現場を見たいと思わせたのは、ディズニーリゾートの運営会社であるオリエンタルランドの2022年3月度決算が80億円の黒字回復したと聞いたから。
コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、大幅に来園者数が減少しているはずなのに、コロナウイルスの影響で大きく赤字化した2021年3月決算から、わずか1年で黒字へ回復した要因はどこにあるか。それを現場感として捉えることが、必ず今後のプラスになるだろうと考えたからです。
経営をしていれば、コロナ以外にも客数が減ることは十分に考えられます。これから日本の人口はさらに減少していきますし、店舗であれば道路の張り付きが変わる事や新しい商業施設ができるなどによる立地環境の変化。高齢化、公共交通機関の衰退など。様々な要因で客数が減っていく環境下でどのように利益を確保していくかは、どんな会社・お店においても起こりうることです。
今回は大幅客数減でも黒字化させたディズニーリゾートの経営戦略。
だれもが直面する危機に対して、どのように経営戦略を強化していくのか、そのヒントが今のディズニーリゾートにはありました。
大企業だからという要因だけではありません。地方の中小企業にとっても参考になることがあると思います。
目次
- 1.50%以上来園客数が落ちても黒字へ回復したディズニーリゾート
- 2.大幅な客数減の環境下で実現する客単価アップと黒字化
- 3.客単価アップを実現する要素な何か?答えは“世界観”
- =世界観の深掘りはここまで追求されている。たまたまのハプニングから感じる=
- 4.単価を高める“世界観”を深めるということはどういうことか
- 5.パークチケット9,400円の入園料は高いのか? 単価でみるとマックと同じ?
- 6.値上げ、客単価アップを実行するバックボーンは“常に新しいことへのチャレンジ”から繋がる“満足度の向上”
- 7.とはいえ、気になることも。世界観を追求すると次の課題も見えてくる。
- 8.まとめ。企業も個人もディズニーリゾートから学べること
- お気軽にご相談ください
1.50%以上来園客数が落ちても黒字へ回復したディズニーリゾート
コロナ前、ディズニーリゾート(ディズニーランド&ディズニーシー)の来園客数は
2018年3256万人
2019年2908万人
と日本でもトップの動員数を持っていました。それがコロナの影響をまともに受けた
2020年756万人
と2018年から見て75%以上、客数が落ちています。
コロナの影響がどれだけ大きかったかです。決算を見ても、コロナの影響を受けた2021年3月度決算では、マイナス541億円となり、大きな赤字に転落しました。
2021年の来園客数はこの記事を書いている時点で公表されていませんが、おそらく年間で1500万人程度と予測。1年間のほとんどでコロナの影響を受け、最も厳しい時期で入場上限5000人/日ということがあり、現在でもピークの半分程度に制限し少しずつ回復させていくことが公表されています。
つまり来園客数はピークの50%以下。その中で運営会社のオリエンタルランドは前年▲541億円から、1年で80億円へ黒字回復を達成しています。
もちろん、人件費など様々なコストが削減されたと思いますが、それだけで大きな赤字から黒字化はできません。黒字化の要因は色々あると思いますが、その中で注目したいのはゲスト1人当たり売上高(来園者1人当たりの客単価アップ)です。
2.大幅な客数減の環境下で実現する客単価アップと黒字化
コロナ禍の中で、多くの会社が新しい取り組みをおこなったのと同じように、ディズニーリゾートも様々な取り組みを行なっています。
その一つで注目したいのが客単価アップ。1人あたり売上高の上昇です。
パークチケットの変動制導入を皮切りに、サービス内容の見直しや、飲食・物販価格などの見直しがされています。その結果(これは実際にオリエンタルランドのHPで公表されている数字です)、2013年から2019年の約7年間、12,000円以下で推移していた一人当たり売上高は、2020年より14,000円弱となり、約12%上昇しています。
これは中小企業や店舗の経営においても重要な経営戦略になるのではなると考えています。
“客数が落ちているとき、どうしても客数を増やそうとして安価な商品を導入しがちになりませんか?”
実際、私もこういう相談を受けることが多いです。客数や売上を確保するための方向性として、安い商品を入れた方が良いのではないかと考えてしまう。ですが答えとしては逆ということ。
ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは一部上場企業。大企業です。大企業であればスケールメリットを活かして、価格を抑え、客数を回復させることも可能とも考えられます。ですがディズニーリゾートの戦略は逆。少ない客数の中で売上・利益を生み出していく戦略へ、コロナを機会としてシフトし、具体策も進め、黒字への回復という成果も出しています。
コロナウイルスの影響による心理的な制限や、海外からのインバウンド観光客もまだまだ先。何よりも日本の人口は減っていく一方。短期的に観ても、長期的に捉えても、少ない客数で利益を生み出していく戦略は、人口減少が加速している地方の中小企業こそ学ぶところがあると考えています。
3.客単価アップを実現する要素な何か?答えは“世界観”
とはいえ、こんなに経済の状況が悪く、日本人の収入も上がっていないのに客単価が1年で2000円近くも上がるの?と感じる方もいるかと思います。
実際に行ってもみると確かにパークチケットの料金は上がっており、ゴールデンウィークなどのピーク時は1日9,400円/大人1人に上がっていますが、現地でそれを気にしている声はほとんどありません。お土産品や飲食などの価格も上がっていますが、だからと言ってレストランやショップが閑散としていることもありませんでした。
高くても、高くなっても気にせず商品やサービスを購入する。この心理状況は何から生まれるのか?そのキーワードは“世界観の深掘り”にあります。
「ディズニーランドの世界観て、ミッキーマウスを中心としたキャラクター達がそこらへんを歩いていて、それらを模した建物やアトラクションがあって、お土産やグッズなどの商品にはキャラクターの絵が書いてあって、働いている人たちにもユニフォームを着てて、その人達がサービスする。そんなの前からあるじゃない」
と言われるかもしれませんが、
今回お伝えしたい世界観はもっと幅広いもの。
建物やアトラクションなどのハード、キャラクターや働く人たちのサービス、キャラクターやイメージを合わせた商品やグッズだけではなく、経営戦略やビジネスのスタンス、将来ヴィジョン、サービスの在り方、人材育成や人事管理など、お金の面や稼ぎ方、商品の売り方、従業員の対応や処遇までもひっくるめた世界観。空想のお花畑の話に止まらない世界観ということです。
ディズニーリゾートへ行く人たちを見ていくと、ディズニーという大きな世界観の深掘りや一貫性にお客さんは価値を感じ、中には熱烈に支持する人たちがいて、価格度外視とは言いませんが、そこまで価格を気にせず商品やサービスを購入しているように感じます。もちろん園内での世界観の作り込みも徹底している。それが高単価を気にせず、お金を払ってくれる要因になっています。
この点、あなたの会社でも考える点があるのではないでしょうか。
例えば。商品は美味しい。だけどそれを提供するお店はどうでしょうか?(ディズニーランドで言えば、アトラクションは楽しい、ミッキーと会える、食べ物が美味しいなどです)
高く買ってもらえるだけの店作り、整理整頓、清掃はどこまでできていますか?
もしも何かの拍子にお客様がバックヤードや、従業員が使うトイレに入ったとしたら。胸を張って“どうぞ”とすぐに案内できる状態でしょうか?
ディズニーリゾートでは、そこまでも考慮した世界観の深掘りをしています。
=世界観の深掘りはここまで追求されている。たまたまのハプニングから感じる=
実は今回ディズニーシーを訪れた時、家族で人気のアトラクションに乗ろうと100分近くの行列に並び、さぁいよいよ乗るぞ!となったタイミングで娘が「トイレに行きたい」と。
こんなに長く並んで、ようやくという時に列から離れるのかと思ったら、ちゃんとそこには救済措置があって、一定以上のところまで進んでいれば、そこにいるキャストに相談すると、ちゃんとトレイにいかせてくれる方法を経験する機会がありました。
その時は通路の脇にあるstaff Onlyの扉からトイレに行かせてくれて、戻ってきてから行列の最前列に並んでアトラクションに乗れるのです。その時さすがだなと感じたのは、staffOnlyの先もちゃんとアトラクションの世界観が続いていること。一般的なお店にありがちな、ここから先はスタッフだけなので内装も簡素にということもありませんでしたし、清掃やスタッフ用の備品が見えることもない。ハプニングを前提として、お客様の世界観を壊さないよう“深掘り”して考えられています。
逆にどうでしょうか?お客様がトイレのためにstaffOnlyの扉を開けたら無機質の内装、スタッフ用のスチールテーブルと椅子が無造作にあって、テーブルの上にはスタッフの飲み掛けのペットボトルや備品が乱雑に置いてある。
あなたのお店ではどこまで徹底されていますか?そこをたまたま通りかける従業員やスタッフは、お店にいるような挨拶や接客、身だしなみはできていますか?
もしもできていないとすれば。これが単価を上げていくことができるディズニーリゾートと、あなたの会社の“世界観を深めるレベルの違い”です。
4.単価を高める“世界観”を深めるということはどういうことか
入園料や園内の飲食・サービス、グッズなどが高くなってもディズニーリゾートを熱烈に支持するファン客がいて、日本全国から来園する人がいる一方で、「あんな高すぎる入園料を払って、行列に並ぶ人は理解できない」「園内のものも高いし、結局は金儲けでしょ」という強めの反対意見も多くなっています。
私の近くにも「1万円近い入園料を払うくらいなら、1万円のワインを飲んだ方が価値がある」という方もいます。
これが“世界観”を深めた結果です。
“世界観”を深めることは、熱烈なファン客を作り、広い商圏から集客でき、客単価を上げることができます。そのかわり、アンチや批判も増えるのです。
逆に言えば「1万円払うくらいなら、1万円のワインの方がよい」と言っている方にも、「わざわざ1万円のワインを飲むなんて何が良いの?もったいなくない?」と批判するアンチがいます。
これはどんな企業、商品・サービスにも同じことが言えます。
1万円の入園料を批判する意見の中には、商業主義だと言う人もいます。
一方で、1万円のワインを批判する人も、そんなに高い値段でワインを売って商業主義だと言う人がいます。
どちらの場合もディズニーランドの1万円の価値はこう、1万円のワインの価値はこうと伝えようと努力する人がいたり、批判を気にせずに商品やサービスを支持し続ける人がいる。その根幹は“世界観”への共感です。
どちらのアンチも商品やサービスだけを批判しているのではありません。会社の方向性や稼ぎ方やスタイルまでも含めていることがわかります。
こういった一方で“世界観”を深めない場合はどうなるか・・・。
確かに批判や強烈なアンチは生まれないでしょう。ですがブランドの特徴は弱く、平凡で一般的な商品構成や価格構成となるため、熱烈なファン客は生まれず、商圏の広がりも、客単価も上がりません。人口減の中で“量”を追求し、大手企業との競争を続けていくことになります。
人口減や客数減の中で、経営者は自分の会社がどちらに向かうのかを決断することが求められています。今回、ディズニーリゾートはコロナ禍を経験して、自らの方向性を明確に定め、企業戦略の中に取り込んでいるのだと感じます。
5.パークチケット9,400円の入園料は高いのか? 単価でみるとマックと同じ?
コロナ禍真っ最中の2021年3月と10月、ディズニーリゾートは入園料を価格変動性へ変更しました。変動前1デーパスポートは大人8,200円〜8,700円だったものが、時期によって価格が変動し、7,900〜9,400とピーク時では約11%アップ、最大1,200円近い値上げとなりました。
ディズニーランドでは1983年の開園以降、16回に渡り入園料の値上げが行われており、直近5年間の1デーパスポート(大人)では合計2,000円の値上げがされたことになります。
2019年:7,500円(前年+100円)
2020年:8,200円(前年+700円)
2021年3月:8,700円(前年+500円)
2021年10月:9,400円(前回+700円)
2021年は2回の値上げになったこともあり、一時はテレビの朝の情報番組やワイドショーで、あーだこうだと取り上げられた時期もありましたし、当然、ネット上では意見が真っ二つ。
=比較的、友好的な意見=
・混雑緩和になって良い。
・他のテーマパークや役所なども価格変動性などを入れる手本にした方が良い。入園料だけではなく、レストラン等も価格変動できれば、経営の安定にもつながる。
・世界のテーマパークから見れば、まだまだ安い
・値上げしたら、変な人が来なくなるんで良い。
・値上げよりも、新エリアの方が気になる。
=比較的、批判的な意見=
・高すぎる。もう行けない。
・もう行かない
・貧乏人には無理。
・夢の国は商売ばっかり。もう夢がない。お金好き。
・値上げしすぎ
とちょっとネット検索するだけで、賛否双方の意見が出てきます。
ディズニーリゾートの“世界観”を支持するファンにとっては、全面的に賛同。
そうではない人にとっては、色々と批判をしたいことがわかります。
では“世界観”とは別に、コンサルタントの視点として入園料9,400円は高いのか?安いのか?を考えてみました。比較する方法は1時間あたりの単価(単価や料金を、世界観を体感する時間で割る)です。
例えば。ディズニーランドへ9,400円の入場料を払って、1日9時開園から夕方18時まで遊んだ場合。ディズニーランド:9,400円÷遊んだ時間9時間=1時間あたり単価1,044円となります。
ちなみにディズニーリゾートからは入園料や園内で支出した分も含む一人あたり客単価(2021年は14,000円弱)が出ているので、そちらも踏まえて他業界・サービスと比較するとこんな感じです。
=色々な商品やサービスの1時間あたり単価=
ディズニーリゾート:14,000円÷遊んだ時間9時間=1,555円
映画:1,800円÷鑑賞に2時間=900円
1万円のワイン:10,000円÷飲み切るまで2時間=1時間あたり5,000円
マクドナルド:800円÷食べる時間30分=1時間あたり1,600円
居酒屋:3,000円÷宴会時間2時間=1,500円
こうみると1万円のワインはディズニーリゾートよりもはるかに高単価になりますね。飲むスピードが早い人だと1時間くらいでボトル一本が空いてしまうので、ディズニーランドを比べて約6.5倍も高単価です。
ディズニーリゾートとしては5年かけて、ようやくマクドナルドと同じくらいの1時間あたり単価になったということです。これは果たして高いのか?安いのか?です。
(ワインのおつまみなど、他の業種・商品やサービスで含まれていない料金もありますし、ディズニーリゾートの場合は現地までの交通費等もありますので、一概には同じとなりませんけど)
“世界観”の要素を加えれば、ファンにとっては“決して高くない”と捉えられることも理解できるのではないかと思いますし、運営するディズニーリゾートとしても今後のキャスト・従業員の処遇向上もこれらをベースに実現し、従業員の幸福度も高める要因の一つとしても考えているのではと思います。
6.値上げ、客単価アップを実行するバックボーンは“常に新しいことへのチャレンジ”から繋がる“満足度の向上”
今までに記載したように、ディズニーリゾートは入園料をはじめとして、サービスや商品の値上げなどを段階的に継続して行なってきています。
これら値上げの背景にあるのはやはり“新しいことへの挑戦”
そこから生まれる“顧客満足度の継続した向上”にあると思います。
コロナ禍の2020年9月28日に、映画「美女と野獣」をテーマとした新エリアのオープン。世界初のベイマックスのアトラクションなど、厳しい時でも新しい挑戦を行っています。
また2022年4月5日には「トイ・ストーリー」をテーマとした直営ホテルをオープン。
「こんなのコロナ前に計画で決まっていたことじゃない」という方もいるかもしれません。
ですが、今まで続けてきたチャレンジ(これらについては、こちらの記事「ディズニーはなぜ人を魅了し続けるのか」で記載しています)はコロナ禍中でもその流れを止めることなく、新たな計画も既に進行しています。
今後もディズニーシーでは、2023年に映画「アナと雪の女王」や「塔の上のラプンツェル」「ピーターパン」をテーマとした新エリア「ファンタジースプリングス」の展開や、ミラコスタに続くパーク一体型ホテルの建設、人気アトラクション“スペース・マウンテン”のリニューアルなどが発表され、具体化に向けた動きが着々と進んでいます。
この記事を書いている時にも、有料ファストパス「ディズニー・プレミアムアクセス」(1回2000円で、特定のアトラクションを“より短い待ち時間で利用できる”有料オプション)などの発表・導入なども行われています。
これらの取り組みに共通しているのは、来園してくれるゲストの満足度を常に高めていくチャレンジ。何度訪れても“新しい発見や楽しみがある”、“来場客が楽しむための選択肢を増やす”といった非常にシンプルな考えだと思います。これらの実行を背景としてディズニーリゾートは値上げや客単価アップを具体化に移しているではと考えています。
あなたの会社はどうでしょうか。1年ごと、2年ごと、自分のお店や会社に来てくれるお客様へ新しいことを提供できているでしょうか。
・いつも変わらないお店や商品
・去年とほとんど同じの季節商品や催事イベント
・従業員も去年と同じ接客
・経時劣化を許容(古いからを理由にしている)している店舗や外構
・厳しい時だから動かない。
・他社が動いたら、それを見て動く
このような状態で値上げや、客単価アップが実現できるでしょうか?
厳しい言い方をすれば“所詮、世の中の原価やコスト上昇の流れのでしか値上げできない程度の世界観”ということになります。
ディズニーリゾートはまさに、これらの逆を進めています。だからこそ、断続的に値上げをしても、有料サービスを導入してもファン客は好意的に捉えています。これがディズニーリゾートの強さなのだと思います。
もちろん。地方の中小企業でも同じことが言えます。
実際、私たちのクライアントは新しいことにチャレンジしてもらい、コロナ禍の影響を最小限にとどめたり、コロナ禍でも売上・利益を伸ばしています。それ以外にも様々な業種や企業さんから相談内容や情報を整理すると、コロナ禍中でも新しいチャレンジをしている会社はなんとか売上や利益を維持しているし、コロナからの回復も早いです。
7.とはいえ、気になることも。世界観を追求すると次の課題も見えてくる。
今まで、色々とディズニーリゾートの強さをお伝えしてきましたが気になる点もありました。
たまたま、アトラクションの列に並んでいた時。
キャストの方が水分補給のために、腰に吊り下げていたペットボトルの水を飲んでいるところに遭遇した時。たまたまファンタジーなエリアだったこともあり、このエリアの世界観に“この水のペットボトル”は似合わないと感じた違和感。イメージとしては、「美女と野獣」の世界観の中に、コンビニで販売しているペットボトルの水があるような感じです。
熱中症や脱水症状にならないための水分補給だったと思います。当然会社も従業員やキャストの健康を守る点からして物凄く大事なことなので、水分を補給することは絶対に必要。
特に屋外エリアが多いディズニーリゾートであれば当然の対策だと思います。
でも、世界観が・・・と思う瞬間でした。
当然、コロナ禍の中で義務的になっているマスクも同じことだと思います。
やっぱり顔全体が見えなければ、最大限の表情や表現は難しい。
世界観の深掘りを追求すると同じくらいの重要さで従業員を守る。この両面をどのように改善・両立させていくかが、これからの課題になるのかなと思います。ディズニーリゾート側でも当然これらに対する取り組みは考えていると思いますので、今後どのようにしていくか、新たなチャレンジとして楽しみにしたいと思います。
これも中小企業で同じことが当てはまりますね。
コロナ禍中に一つのスタンダードとなった“マスク”。気温が上昇する中で従業員の健康を守ること。これらと自社や自店の世界観をさらに深めていくためにはどうしたら良いか。世界観を深めていけばいくほど、こういった些事への取り組みに気づくようになり、会社としての新たな成長につながるのだなと思います。
8.まとめ。企業も個人もディズニーリゾートから学べること
いかがでしょうか。
コロナ禍、50%以上の客数減という厳しい環境下でも、黒字へ回復させたディズニーリゾート。
実際にディズニーランド・ディズニーシー、ディズニーリゾートが運営するホテルなどを体験して感じたことは、
・厳しい時でも当たり前のことや、新しいチャレンジを継続していく意思。
・今、目の前にいるお客さん、自分達の会社やお店に来てくれるお客さんの満足度を高める取り組みを“常に”レベルアップさせていく意思。
大企業だからということではないと思います。あれはディズニーだから、大都市圏だからではなく、中小企業や個人も同じこと。
最近は物価の上昇に対して、給与や収入が上がらないという話が多く出てきます。「内部留保」という“なんとなく会社が現金を溜め込んでいる”ようにイメージさせる言葉が政治の世界やマスコミで使われ、企業が悪いような風潮があります。(ちなみに「内部留保」という言葉は正確な会計用語としては存在しないので、きっと利益剰余金のことを指しているのだと思います)
もしも企業や経営が悪いとすれば、価格以外の価値を生み出すことができず、“価値の視点で価格や売価を上げていく視点”が欠如した経営者に問題があるかもしれない。
ですが給与アップが実現しない要因は個人にもあるのではと感じています。
去年と同じことをしている、レベルアップしていないのに、どうして給与が上がるのか?。こういった議論もしていかないといけないのではと思うことも増えています。
まずは一つ一つ、自分の会社やご自身に置き換えて考えみてください。
コロナ禍をチャンスにしている会社、厳しい環境下でも売上や利益を上げている会社。
厳しい時でも給与が上がる人。そういった会社や人たちがどうしているか、そのヒントをコロナ禍を経たディズニーリゾートで感じたことからまとめました。
コロナウイルスの影響が緩和傾向になった今、今後をどうするかが大事になっています。まだまだ間に合う。コロナの時期に少し停滞したとしても、回復できる機会はこれからです。
こういった視点をコンサルティングの現場でも活かしています。
あなたの企業だからこそできること。自分の会社の世界観はどうか?まずは小さいことでも構いません。新しいチャレンジをしてみませんか。
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