社長の孤独に寄り添い、中小企業の経営改善を前に進める
孤高な社長の孤独経営コラム

経営改善のプロが明かす「社長の孤独」を解消し、社内一丸になって黒字化へ進む3つのアプローチ

経営改善のプロが明かす「社長の孤独」を解消し、社内一丸になって黒字化へ進む3つのアプローチ

「本田さん。会社が厳しい時、他の社長は・・・・。本田さんのお父様はどんなふうに考えていたんですかね…」
そう漏らされたのは、食品製造会社を経営する40代の社長。

言葉の裏に、このような本音が強く感じながら、お話を聞いていました。

  • 「古参の幹部からは、経営者として頼りないと思われている」
  • 「自分なりに売上を取ろうと精一杯動いているつもりなのに、空回りしているようにみられている」
  • 「社長として知識も経験も足りないことは自分でもわかっている。でも、すぐになんとかできるものでもない」

数年前に大きな利益を出していた会社です。ですが、今は大きな赤字が目の前にあります。
経営改善に伴走して取り組みはじめ、少しずつ良い方向に向かっているものの、黒字まではまだ道半ば。
打ち合わせの合間。
奥様や経営幹部が席を外し、私と二人になった時に吐露された悩みでした。

まさに、社長としての「強い孤独」を感じる瞬間です。

経営者が陥る「孤独」の正体

まずは、この気持ちに寄り添うこと。

こうしたとき、私はすぐに答えを出す必要はないと思っています。
必要なのは、社長の気持ちに寄り添うこと。「頑張り」を認めること。
会社が苦しいほど、社長は弱音を吐けなくなります。
社員や家族に不安な姿を見せてはいけない。自分が自信を持っているところを見せなければ。と一人で抱え込んでしまいます。

これは、私自身も経営者として12年以上、身をもって実体験してきたことでもあります。
「自分は社長に向いていないのではないか?」と自分を追い詰めてしまうことも、本当によくわかります。

その上で、私は社長が孤立しないよう、3つのアプローチを行いました。

 

1.原点へ立ち返ること

これは菓子店を経営していた父がよく言っていたことです。

「困ったときは原点に帰るんだ」

確かに、その通りだと私も思います。

目先のマイナスに目が奪われてしまうと、どうしても「自社の強み」を見失い、目先の数字に一喜一憂してしまいがちになります。

その中で、
自分はどういう会社づくりを目指していたのか
うちの会社の強みはどういうところか。
実際、この会社には、

  • 社長の商品開発力
  • 楽天で1位を取り続けた強い主力商品
  • 独自の冷凍技術と設備

こういった要素を組み合わせることで、他者にはない独自の強みになると以前に社長とも共有をしていたことでした。
「うちの会社には、3つの強みがある。これは業界や他社とも違う強みになる。改善を始めたばかりで、今は数字に表れていないけれども、必ず成果につながる」

もう一度、社長の軸を太くしないといけない。
改めて、この言葉を社長へ伝えることを第一に考えました。

 

2.「今できていること」を整理し、肯定する

経営者は真面目です。
だからこそ、できていないことに目が向いてしまいます。確かに目の前の数字は苦しい。でもこれは改善前(過去)の行動の結果にすぎない。

「頑張っていることに間違いはない。成果が出るまでに時差がある」こと。
だからこそ、私は「できていないところに目を向けるのではなく、少しずつ良くなっていること、改善が進んでいること」を事実として伝え、社長と改めて確認をしていきました。

実際、新たに進めていた取り組みは、問い合わせが増え、これから数字になろうとしているところでした。

数字にはなっていない。でも、確実に良い方向へ変化している。
その事実を整理して、社長自身に認識してもらうことが重要でした。

 

3.幹部、リーダー、現場との「橋渡し」サポート

社長から、こういう話が出ると、幹部や現場も社長に対しての不満や物足りないものを感じることが強くなっていることが少なくありません。

逆に社長の良いところや功績へ目が向かなくなる傾向が強くなります。

実際、
「社長は、今の現状をわかっているのか? 今、なんであんなことに力を入れるの?」
「それ、社長がやることじゃないでしょ・・・」
そんな声は、幹部や現場から少しずつ出ている感触がありました。

これこそが、社長を孤独に、不安に追い込んでいく原因です。

社長の孤独の大きな原因は、社内とのボタンの掛け違いのようなものです。

私の役割は、他の幹部役員をはじめ、工場の職人さんや現場リーダーなどに「社長が頑張っていること」「いきなり大きな成果や、社長自身の成長を感じられないかもしれないが、確実に良くなっていること」を客観的に、現場の言葉を使いながら丁寧に伝えることでした。

さらに行ったのは「社長の苦手なことを、幹部や現場リーダーにカバーしてもらえるよう」社内の調整を図ることでした。

その社長は、商品開発力やアイデアを得意としていましたが、交渉ごとや数字はやや苦手。
社長の強みを最大限に活かすことを考えれば、苦手なことは得意な幹部やリーダー、そして私が担えば良い。

社内各自の強みを明確にし、役割を分担したことで、社内の「不満や不信」は少しずつ「協力」へと変えていきました。

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4.中小企業の経営改善で、本当に大事なこと

中小企業の経営改善において、私は戦略や数字だけをみているわけではありません。
一番大切なのは、「社長が孤立している問題を解消すること」です。

経営改善がうまく進まない会社の多くは、売上や利益の問題だけではなく、「社長が一人で抱え込み、社内の協力を得られない問題」に原因があります。

経営者には、経営者にしたわからない孤独があります。
その孤独を少しでも軽くすること。
そして、社内の協力体制を調整し、作り上げていくこと。
これこそが、経営伴走パートナーとしての大切な役割だと思います。

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