中小企業の利益を3倍にする経営コンサルタント本田信輔です。
最近、原価率が上がった?高くなった?
想定原価と、実際原価が合わない?
売上が低迷したり利益が出なくなると、経営者が最初に確認するのは原価率。
原材料の高騰で仕入れが上がっている?
はたまた、他の要因?
一番怖いのは、何故上がっているかわからないこと。
原価率の増減は会社の利益に直結する重要な指標。だからこそ原因も含めしっかり把握したいところです。
ちゃんと取り組んでいる会社と、そうでない会社では原価率が10%以上も違うことがザラですし、クライアント企業でも相談を受けることが多くあります。
そんなときはどう考え、分析していくか。
今回は原価率が上がった?高い?と感じた時、経営者が注意して確認して欲しい3つのポイントとをお伝えします。
ちなみに。原価を下げたいという方はこちらの記事もおすすめです。
目次
1.高いとか、上がったとか。そもそも、その原価率正しい???
(1)仕入れの確認をする 納品書と実物は確認しているか?
中小企業や創業起業したばかりで、意外とできていないのは仕入れのチェック。
納品書と、実際の現場数量があっているか?
製造現場で原材料納品時の確認をしているか?
意外と基本的なことですが、できていない場合があります。
(2)原価を計算している仕入れ単価は正しいか?
仕入れ単価が正しいか?
見積書通りに請求書が来ているから、正しいに決まっている!
最近の仕入れ単価上昇分は、わかっているし、原価にも組み込んでいる!
そう思う方もいらっしゃいますが、
原価計算をするときに、仕入れ単価を消費税込みの単価でしていますか?
まさか、消費税を抜いた単価で設定していませんか???
例えば、1個100円の商品。
直接原価が25円。原価率は25円(原価)÷100円(売価)=25%
仮に直接原価に消費税が入っていないとしたら、、、、
実際の原価は27円(25円+税)。27円÷100円(売価)=27%
ここで2%も違います。
原価率で2%違えば、
年商1000万の企業で20万円。
年商5000万の企業で100万円。
年商1億円の企業で200万円。
これだけ想定利益が違ってきます。
利益額としては、とても大きいですね。
仕入れ単価をまずは、確認してみましょう。
もちろん、仕入れ単価が上がっていることもあります。
その上で、原価計算をするときに、ちゃんとした仕入れ単価で計算されているか。
仕入れの上昇分、消費税分が組み込まれているか。
もう一度チェックすることが大事です。
2.原価計算をする時の売価。そもそもその売価正しい?
原価計算をするとき、原価率を決めるのは、原価の他に、
=その商品をいくらで売っているか?(売価)=
売価も重要な要素です。
原価計算をするときの売価。
どの売価を設定していますか?
これは、実際にある地方の食品製造小売企業で問題になったこと。
それは、
“原価計算するときに、店舗の内税表記売価をベースとして原価計算していた”
これが想定原価と、実際原価の差を大きくしていた要因でした。
内税表記が設定され、企業も売価を検討するとき、内税価格で考えるようになったことも理由の一つかもしれません。
例えば、1個300円(内税)で販売している商品。原価が75円とすると、
本来は売価の300円から消費税分を引いて、商品本体価格は277円。
これで原価計算をします。
原価率は 75円÷277円=27%
ですが、仮に300円で原価計算をすると、
原価率は 75円÷300円=25%
やはり、2%違います。
消費税は原価計算をする上で、意外と落とし穴になる要素。
消費税が10%へ上がると、原価率の差はもっと大きくなっていきます。
今のうちに消費税を踏まえた原価、売価の把握をしておくことをオススメします。
3.原価には、ロスと想定外の要素を入れておく =原価は1.2倍で設定する理由=
原価には、ロスと想定外の要素を加えておく。これを行なっている企業は多くありません。
ですが、商品製造をする上で、どうしても外せないのはロス。
製造するときに失敗した。
原材料を廃棄した。
食材・素材の歩留まり。
商品の売れ残りや廃棄ロス。
配送時、流通時に破損する。
流通配送・保管コスト。
商売をしていくと、どうしてもロスが発生ます。
想定外のことが発生します。
特にミタスパートナーズの支援先に多い、食品製造業、6次産業化に取り組む農家さんで起こりやすいロス。
1個500円の商品。原価は100円。製造する時、平均10%のロスが出る。
仮にこうした場合、
ロス率を考慮しなければ、 原価100円÷売価500円=原価率20%
ロス率を考慮しておけば、 原価110円÷売価500円=原価率22%
やはり2%前後のズレが生じます。
ロス率を抑える取り組み、売れ残りや廃棄ロスを抑える取り組みは必要ですが、
合わせて取り組みたいのは、原価を設定するとき、ロス率を想定しておくことです。
やり方は簡単。
正しい方法で試算した原価額に1.2〜1.3をかけておくこと。(原価額を1.2倍、理想は1.3倍にする)
これで、より安心安全な原価設定が可能になります。
しかも今後、原価が上昇した時でも対応できるようになりますね!
4.原価率を改善するために経営者が意識しておいて欲しいこと。
昔ながらの職人さん、特にケーキ屋さんの職人さんには多いことですが、、、
原価率は25%!・30%!
原価率を固定し価格を決める方法です。(固定原価率の発想) それが業界の当たり前と決め込んでいる方もいらっしゃるようですが。
ですが時代の流れ、経済の流れを見れば、
原材料も高くなる、人件費も高くなるで、単純な固定原価率の発想は難しいと考えます。
いかに原価率を抑えながら、お客様に満足してもらえるようにするか。
経営者は正しい値付けをしていく必要があります。
実際、私たちのクライアントで原価率を上手に抑えている経営者さまには、以下のような方法を実践してもらい、成果が上がっています。
原価を抑える方法として、
①正しい値付けをする
これは経営者の大事な仕事の一つ。値付け一つで原価率は大きく変動します。
値決め・値付けにはコツがあり、
上手な方法を取り入れることで、企業利益が5-10%も変わります!(アップします)
②定期的に仕入れの確認をする。 =定期的な原価計算のし直し=
原価が変動する今、定期的な原価計算の実施はとても大事。
原価計算は年に1度。というあなたは要注意。
もちろん、納品書と現場での納品確認も定期的に行いましょう。
企業の利益は3ヶ月だけでも原価率が上がっただけで、大きく落ち込みます。
変動に対応しながら、定期的に把握することで、より安全な経営ができますね。
値付けと仕入れの定期的な確認。
まずは、ここからチャレンジしましょう。
それだけで、あなたの会社の利益は大きく変わります。
その上で、商品の生産性把握には、人時生産性を活用しましょう(商品利益率をもれなくくまなく劇的に高める人時生産性の活用方法)
そうすることで、会社の生産性は大きく改善できます。
いかがでしょう。
原価率は、企業の利益を大きく左右する重要ポイント。
原価計算をする時、仕入れの消費税分を入れていなかった 原価率+2%
原価計算をする時、内税表記の商品価格を使用してしまった 原価率+2%
原価計算をする時、ロスや想定外の要因を組み込んでなかった 原価率+2%
これだけで、原価率は6%も違います。
これに仕入れ単価の上昇分を入れたら、原価率が10%近くも違ってくることになりますね。
だとすれば、想定原価と実原価に大きな差があるのは当然。
利益ベースで10%も違えば、企業利益は相当大きく変わります。
原価率は大事。そう思って、多くの経営者は意識します。
特に中小企業や創業したての企業、6次産業化に取り組む農家さんにとっては利益の生命線ともいえます。
だからこそ、正しい原価計算、原価率コントロールをしていきたいですね。
最近特に、原価計算や原価率低減、利益アップに関するお問い合わせが増えています。
それだけ、世の中の経営者は意識を持っているということ。
あなたは、あなたの会社はどうですか?
正しく原価を把握して、経営していますか?
多くの経営者は利益をあげることに前向きに考え、理解してくれます。
ですが実際に動いているのは2割程度の経営者。
一歩を踏み出さないことで、明日の得られる利益を失っている状態。
やり方が見つからず、なんとなくのまま時間を過ごしていませんか。
あなたは未来への投資ができていますか?
原価が上がった?高くなった?と感じているあなた。
最近、利益が出なくなってきている。
次世代に向けて、利益体質の会社・事業基盤を固めておきたいと考えている方。
ぜひ、チェックしてみてくださいね。
ミタス・パートナーズは引き続き、地方の中小企業が、
・自分たちの強みや独自性を高め、唯一無二の商いができるように。
・その会社で働く人たちや地域の人たちが仕事に誇りを持ち、子供たちがそれを見て未来を描けるように。
・会社の利益が3倍になるように。
情報発信を行い、経営者と共に走るパートナーとしてサポートを続けていきます。
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