中小企業の利益を3倍にする経営コンサルタント 本田信輔です。
今回は新しく店舗開発や工場投資をするとき、建築コストを下げる・削減するための3つのコツ。
そして絶対にやらないほうが良い、1つのタブーについてお伝えします。
新しい店舗や工場を作ろうと思っても建築コストが高すぎる。
工務店や建築会社、業者の出してきた見積りを見たら、胃のあたりや足元がスッと寒くなった。
こんなにかかるの?と思えるくらい見積りの金額が高い。
もともと決めてた予算なんて全然足りない。
建築コストを下げないと、絶対にできない。
震災以降、建築コストは上昇し、非常に高い位置推移しています。
大工さんなどの人件費も上昇傾向が続いています。
以前で建てた投資額からちょっと上がるかな。と思っていたら、
1.5倍は当たり前。10年前の2倍近く。建築コストは高くなっています。
一方で、自分の考えや理想を実現しながら、上手に投資費用を抑え、その後も業者との良好な関係を続けていける経営者が存在しているのも事実。
強硬に値引き交渉をするだけでは実現しない方法で。
どこをどう削減しようか。そう思っても、どうして良いかわからない方へ。
是非参考にしてくださいね。
目次
1.まずは工務店や建築業者から見積りの詳細内訳書をもらおう。
店舗プランや工場プランを検討して、概算見積りをもらう。
ほとんどの場合、この流れで打ち合わせは進んでいきます。
その中で、投資コスト・建築コストを削減しようと思ったら、
工務店さんや建築会社さんから、
“基本設計をした段階で”、“詳細な見積り”をもらうようにしましょう。
注意!!!:必ず実施設計をする前に提出してもらってください
通常は見積りというと、
本体工事、付帯工事、店舗工事など大まかに項目が分かれていて、
各項目は以下のような項目で記載されているものです。
本体工事一式 ○○○○○○円
=本体工事内訳=
・建築主体工事 ○○○○○円
・電気設備 ○○○○○円
・機械設備 ○○○○○円
・外構工事 ○○○○○円
ですが、実際に建築コストを削減することが上手な経営者や、私たちがもらう、
詳細な見積りとは、、、
各項目をさらに詳細にしたもの。
見積りを出すための積算根拠と言われるもので、
細かくどんな工事にいくら設定しているのか(数量や面積と単価)
建物のどこに、どんな部材や壁紙を使うのか
ドアや窓、戸棚などの建具。洗面台やトイレ関連の衛生器具。照明などは具体的にどんどこのメーカーの、何を使うのか。
これらが、詳細に出ている“見積り内訳書”というものです。
見積りの積算根拠となる見積りの詳細を見直すことで、どこが抑えられるか。
無駄なものはないか?
他と比べて高くなりすぎているものはないか?
確認することができ、コストを確実に下げることができます。
業者さんによっては、そこまで提出することを渋るところもありますが、そういうところは利益を不当に乗せていたり、施主やクライアントに見られると都合が悪い場合があります。
その場合高い投資になったり、建築コストを下げる協力をしてもらえないことに繋がりますので注意して付き合ったり、時には業者選定を見直すほうが良いです。
業者選定を見直す場合。
もしも建築プラン・設計と建築請負までを合わせた契約になってしまっていて、設計費用が無料だった場合。
概算見積りの段階で建築を依頼しない場合、設計料を払わなくてはいけなくなったとしても、業者変更は検討したほうが良いです。
設計費用無料としていても、工務店や建築会社はちゃんと工事で、その分を利益に乗せてくるからです。概算見積りを基本設計が終わった段階で提出してもらい、実施設計に入っていなければ、設計料はそれほど高いわけではありません。
そのあとの、建築コストを下げる額から考えれば、少額ですみます。
今、既にプランや設計が進んでしまっているという方は、検討してみることも大事です。
2.見積りはここをみる!見積りのチェック方法と抑えるポイント
通常の概算見積もりが10ページ、多くても20ページだとすると、
詳細見積りはプランによっては100ページ近くなる場合もあります。
みるだけでも、大変ですね(汗)
なので、見積りをみるポイントをお伝えします。
見積りをみるポイント
ポイント① 最初は全体を見る
大きな項目で、どこにコストがかかっているか。
まずはこれを確認します。
その上で、コストが高いところ、大きくかかっているところから見直します。
ポイント② 設備や器具、外構をみる
建物自体。例えば躯体や基礎などは、建物を建てる際、絶対に必要なもので、柱などを減らすことはできず、コストを下げるための単価も下げることが難しいものです。どこの会社、業者でもよほどでない限りコストダウンは難しいでしょう。
もしもそこに手をかけるなると、建物面積を小さくするなど、プランの根本を見直すことになります。
なので、まずは今まで考えた基本プランの中で単価を抑えられる。
・設備関係
・器具や建具
・外構
から見直していきます。
ポイント③ 仕様が変更できないかどうか検討する
・不必要な箇所や数量、面積を作ることになっていないか
・他メーカーで同等品、もっとグレードの低い代替品で対応できないか。
→例えばバックヤードや、従業員スペース・従業員駐車場。お客様から見えない部分であれば、もっと安いもので良い。駐車場であれば従業員駐車場は、舗装ではなく砂利で。
・建築を依頼する業者さんが懇意にしているメーカーに変えられないか。
・建具はオリジナルではなく既製品、メーカー品に変えられないか。
特にデザイン設計業者と建築業者が違う場合、設計業者の指定した器具や建具や部材がある場合、違うメーカーや建築業者が懇意にしているメーカーの同等品にすることで、価格が下がることが多くあります。
3.大きく抑えたい時には戦略見直しを。投資建築コストを見直す考え方は“仕様の変更で減額する”
投資建築コストを下げる考え方は“仕様の変更で下げる”
これがとても重要です。
それでも、どうしても建築コストが下がらない場合、
建物自体の大きな戦略、つまり建物自体の仕様を見直すことが必要です。
本当にこの大きさの建物が必要なのか?
プランの見直しで、10%建物面積を小さくすることができないか?
工場面積や店舗面積。広いから良いというものではありません。
将来の生産金額や製造商品、店舗であれば売上や店舗機能。
時には小さくしたほうが、実際に使うとき効率的だったり、生産性が高いこともあります。
この辺りを含めて根本を見直すことも時には必要です。
建物の面積が10%小さくなれば、
本体工事だけではなく、それ以外の設備や建具なども減額できます。
本体工事が3000万だったら、建物面積を10%小さくすることで、コストは7−8%下がります。
建物面積が100坪で、坪単価が50万だったら350〜400万近くは確実に下がりますね。
照明器具や衛生設備、建具等も“仕様の変更”でコストを抑えられることができます。
逆に一番建築コストが下がらないのは、工務店や建築会社に値引きだけを要求するパターン。
もちろん、先方に予算を伝え、その中でやってもらうことをお願いするのは大事です。
ですが、根拠のない値引きの依頼はやってはいけないタブー。
なぜかは次のテーマでお伝えします。
4.やってはいけないタブー。デザイン設計会社、工務店や建築会社との付き合い方で建築コストの下げ幅は変わる。
建築コストを下げたいと思うのは、誰でも一緒。
当然、工務店や建築会社が値引きをしてくれるのは嬉しいものです。
経営者の方では、何の根拠もなくただ値引きをお願いしているケースも見受けられますがそれはタブー。
施主側から積極的に値引きを依頼しないほうが良いです。
なぜなら、工務店や建築会社との付き合いは建築後も続くから。
メンテナンスや修理。建物を建てたあとは必ずこういったものが発生します。
そのとき、一番建物のことをわかってくれて、依頼もしやすいのが、建物を建ててくれた工務店や建築会社。
中小企業の場合、地元の業者さんにお願いすることも多い。
お互いに気持ちよく仕事がしたいですし、良い関係をでありたいですね。
当然相手も経営があり、従業員がいて、そこに生活があり、利益が必要。
その点をちゃんと考えること。
値引きを強制したり、強く要求することは関係を悪くするだけです。
デザイン設計会社、工務店や建築会社との上手な付き合い方は、
“仕様の変更を前提に、どうやったらコストを下げられるか、一緒に考えてもらう”
あくまでも値引きではなく、仕様を変えることでコストを抑えるために、デザインや建築の面からコストを抑えるアイデア出しで、協力してもらうことです。
相手も利益を下げるのではなく、しなくても良い工事、不必要なレベルの設備の仕入れをしなくても良い。
工務店や建築会社には、業界のプロ・専門家だからこそ考えられるコストの下げ方ノウハウが必ずありますので、それを出してもらう。
お互いにwin-winの関係で行くことが大事。
逆に、こういった担当者の発言は気をつけなくてはいけません
「私たちは、社長の要望通りにつくります」
これが一番危険。
見積りが出て、コストが高いな。と思っても
「それは、社長の要望を入れたから。私たちは言われた通りにしています」
としか言いません。
こういう業者さんでは、コスト低減の協力は難しいですね。
関係業者さんとの付き合い方、協力のしてもらい方はとても大事。
店舗や工場を、他の企業よりも安く抑えている経営者は、この考え方を具体化しています。
4.私が一番腹がたつ。業者さんの言葉 =投資建築コストの低減は少額でも影響は大きい=
新工場や新店舗の打ち合わせで、建築を担当する業者さんとの打ち合わせに入ります。
コンサルティングを依頼してくださる社長は当然、建築コストを抑えたい。
私も当然そう思いますから、色々な“仕様の変更”をお伝えします。
その時コンサルタントとしての役割は、様々な改善策の提案とともに、社長が言いづらいと思うことを外部の立場として発言し、伝えること。
予算はこれくらいしかない。何とかこのくらいコストを抑えたい。
これらを経営や企業財務、売上から根拠づけたりしてお伝えします。
様々なアイデアや変更をお願いするのですが、その時一番腹がたつ回答は、
「それをしても、ちょっとしか下がりませんよ・・・・。」というコメント。
これにはものすごく腹が立つ!!!
例えば、3万円しか下がらないとする。
ですが、よく考えて欲しい。
この3万円を捻出するためには、いくらの売上が必要か?
経常利益が3%の会社であれば、売上は100万円必要です。
このことをわかっていない担当者、時には社内の従業員。若い後継者。
わかってない!!!!と声を大にして言いたい!!!
わずか3万円。
だけど、3万円を得るためには売上が100万円必要。
これがもっと大きな額だったらと思いますね。
概算の見積りで出てきた金額が1億円だとします。
仮に10%。建築コストを下げることができたとしたら、、、
・建築コスト1000万円
・これにかかる消費税80万円
・仮に借り入れした場合の利息 年間15万(返済終了まで減額しながら続く)
・建築コストに割合で発生しているデザイン設計費用 7万円(建築費用の7%を設計費用として設定した場合)
これだけ合わせて約1100万円
先ほどと同じように、経常利益3%の会社であれば売上が3.3億円必要。
最低でも売上3.3億。会社として背負っていくとしたら重い荷物になりますね。
投資した分、売上を取れば良いとの発想もありますが、
建築コストを抑えることは、これだけ大きなメリットがありますので検討する価値があります。
投資建築コストを抑えるためには、
大きな戦略を見直しながら、一つ一つ小さな点の見直しを積み重ねていくことにあります。
いかがでしょう。
建築コストの上昇が続いています。
以前から見れば1.5倍や2倍。額が大きいだけに上昇する額も大きい。
ですが企業として、投資をするタイミングを逃すことはできません。
チャンスの神様は、二度ときませんし。
良い物件や土地が出た。
今が会社や事業を伸ばす時。
工場や店舗投資をする必要があると、経営者は直感します。
その時、高すぎる投資建築コストをどう抑えるか。
投資を1割−2割も押さえられる経営者は、上手に専門家を活用し、確実に建築コストを削減する取り組みをしています。
あなたはどう考え、どう行動しますか?
今、すでに進んでいる案件や物件がある。
これから考えよう。これから動きたい。
その時、どれだけの荷物を背負ってスタートするか。
できるだけ軽いほうが良いと、誰もが思うこと。
今回の内容、是非参考にしてくださいね。
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