社内や従業員からコロナウイルス感染者が出た時の対応策

地方の中小企業の利益を3倍にする経営コンサルタント 本田信輔です。

今回お伝えするのは社内やお店、自分自身や従業員から新型コロナウイルス感染者が出たらどうするかです。

「もしも自分の店・会社からコロナウイルスの感染者が出たら」

経営者にとっては聞きたくないことかもしれません。

従業員から、

「ウイルス感染をしないようにどうするんですか?」と言われるより

「ウイルスに感染したらどうするんですか?」と言われる方がはるかに怖い。

今のご時世。経営者にとって「もしも感染したらどうするんですか?」というフレーズはあらゆる行動を抑制し、新しいチャレンジや未来への取り組みをストップさせてしまうキラーフレーズにもなっているように感じます。

今、経営にとってコロナウイルスで一番怖いのはウイルス自体よりも、

「人の心」だと思います。

ちょっとした対応や一言が、あなたのお店の評価をプラスにもマイナスにもする。社内に対しても大きな影響をもたらします。

あまり想像したくないことですが。これだけウイルス感染が一般のものとなれば。会社・店舗や個人で十分な感染予防対策をとっていたとしても、経営者としてはお店でウイルス感染者が出ることを予測しておく必要があります。従業員やスタッフがかかるかもしれません。あなたやあなたの家族がかかる可能性もあります。

その時、経営者・オーナーとしてどのように対応するか。今から考えておくことで、いざという時に落ち着いて対策を取ることができます。

もちろん、各社の置かれた環境、感染者の状況など色々な違いはあるかと思います。ですが、まずは今回お伝えしている対応策のポイントが基本になります。

=ポイントを簡単にまとめると=

・第一報はとにかく早く、正しく

・会社として従業員やスタッフを守ること

・ポジティブな対応や内容も組み込むこと

ぜひ、その点を考えながらお読みください。

1.第一報はいち早くが対応の大基本

どうしても会社やお店でコロナウイルスの感染者(濃厚接触者)が出たら、不安や後ろめたい気持ちが出てきます。

・濃厚接触者でまだPCR検査の結果が出ていないから(確定していないから)

・他の人にも感染している可能性もあり、全容が把握できないから

・誹謗中傷への不安

・経営や売上への影響

などなど、色々な要因を理由にして情報発信が遅れてしまったり、なんとなく曖昧で終わらせたい気持ちが出てくる。

これは気をつけないといけない。

特に一番危ないのは、あなた以外のところから情報が先に出てしまうこと。

その時点で会社やお店は“情報を隠していた”認定されてしまい、ブランドは一気にマイナスの評価を受けることになります。

大事なのは“濃厚接触者が出た時点で、“該当者のケアを行った上で”できるだけ早く情報発信をすること”

これら一連の情報発信者は経営者名・オーナー名で行うこと。

(店主とか会社名など、個人名を出さずに情報発信をしたい方もいるかと思いますが、コロナウイルスのように「人の心」に影響する情報は経営者名・個人名の発信とし、思いも合わせて伝えていくことが大事になってきます)

発信の媒体はホームページ、SNSなどです。当然、その時点では陽性であるかどうかはわかりません。

ですが、まずはいち早く情報を出すこと。リスク対策の面からも大事です。

情報発信としては

①社内・店舗でウイルス感染者の濃厚接触者が出たことと現状(濃厚接触者が出たこと、現在PCR検査中であること)

②濃厚接触者について(性別や名前等の個人情報は出さない。その上で現在の症状、自宅待機中であること、会社の中での業務状況、お客様との接点があるかどうか)

③他の社内スタッフについて(一緒に仕事していたスタッフの状況、周囲の人の状況や症状はあるか)

④保健所の指導・指示内容、ウイルスに対する正しい情報(厚生労働省や農林水産省HPなど)について

⑤会社店舗としての対応策について(営業自粛、予約への対応、店舗での対応、感染予防多作を引き続き継続することなど)

⑥検査結果が分かり次第、第2報を発信すること(継続的に情報発信すること)

⑦お客様・スタッフの安全を第一に考え、情報を隠さず、正しく伝えていくこと(会社としての姿勢)

などが第一報として発信する内容です。

該当者や社内スタッフの状況はもちろんですが、合わせて発信しておきたいのは保健所の指導・指示の内容。そしてウイルスに対する正しい情報です。

実際にコロナウイルス感染者が出た店舗や百貨店(食品売場)等での対応を聞くと、基本的には「夜間に消毒を行うことで、翌日から営業しても構わない」との指示になるそうですが、自分たちなりの対策も伝えておく方が良いです。

さらに言えば。

農林水産省のホームページでも記載されていますが、食品を介してのコロナウイルス感染例は今までに報告されていないことも伝えておいた方が良い。(食品そのものにより、新型コロナウイルス感染症に感染されたとする報告はありませんとのこと)

この辺りはテレビや新聞などマスコミ情報ではなく、公的機関の“正しい”情報を把握しておくことが必要です。

2.社内対応は何をするか?

①社内対応 第一優先は従業員・スタッフのケア

社内で濃厚接触者が出た場合、社内スタッフも不安や動揺が生まれます。

特に実際に濃厚接触者となった該当者は気持ちも落ち込み、不安も半端ない状態。

その時に、経営者であるあなたがどのように対応するか。現場スタッフの場合は店長・リーダーなどの対応も重要です。

特に大事にして欲しいのは該当者のケア。

(本人へのケアは、会社が外部に情報発信をする前にしておくこと!!)

本人も願って感染したわけではありません。多くの人は申し訳ない気持ちが先にあるはずです。

体調を気遣うことはもちろん、会社として本人を守ること。まずはこのことを伝えてください。

当然、全社に対しても情報発信が必要です。情報発信は文章ではなく、必ず経営者の生の言葉で伝えること。これがとても大事です。

ただの事象としてではなく、経営者の思いも合わせて伝えて欲しい。本人とちゃんと話したこと。本人の不安や申し訳ないとの気持ち。社内で濃厚接触者が出たことだけではなく、会社として本人や従業員・スタッフを守ること。誹謗中傷をしないで欲しいこと、そのことをホームページやSNSにも掲載し、お客さんにもお願いすることも伝えます。

②営業自粛はどうするか?自粛する場合の目安は?

洋菓子店や食料品店、食料品店、百貨店等への対応を見ると、保健所の指導・指示としては、施設内消毒を行なった上で、営業自粛は求めないというのが結論のようです。

一方で“人の心”はそうはいかない。単純に学問・学術では解決しない従業員の不安、お客さんの不安が出てきます。

もちろん経営者の判断というものがありますが、営業自粛をする場合の一つの目安として考えておきたいのは、本人及び従業員・スタッフのPCR検査の結果が出るまで。

この検査結果を踏まえて営業再開を決定するのが一つの目安になると思います。

もう一つ。洋菓子店・ケーキ屋さんのような業態で、対応策として予測されるのは予約対応。バースデーケーキや特注などの対応です。

これについては濃厚接触者が出た段階でお客様に電話連絡。

状況報告をお伝えした上で、判断を仰ぐ対応をします。

商品をお作りする場合は、製造するスタッフを極力減らし(できれば人数や誰が作るかもお伝えする)、衛生面を徹底して作ることを約束する。商品のお渡しについても、店外や駐車場での対応などもお伝えするのがベターです。

③引き続き、衛生管理を徹底すること

スタッフ、お客様の安全を守るための対策を引き続き行なっていくこと。

実際には多くに洋菓子店・ケーキ屋さんでは対策がされています。それを再徹底すること。毎日の検温や健康管理、マスク・手洗い・消毒をはじめとした衛生管理の徹底などを社内外で再認識することです。

その際、保健所から教わった指導内容も参考になります。

消毒用のアルコールは直接かけると菌が舞ってしまうので、上の方からふりかける方が良いなど。意外と知られていないこともあるようです。

3.第2報のタイミングはPCR検査結果が出た時&従業員を守ること

PCR検査の結果が出た時が第2報のタイミング。

①PCR検査の結果はどうだったのか

②該当スタッフの現在の症状はどうか、発熱はないか。ちゃんと連絡を取り合える状況か

③他のスタッフ全員の健康状態はどうか、毎日の健康チェック、PCR検査をしていればその結果も

④店舗・工場での消毒実施について

⑤営業再開のめどや、予約商品等の対応について(再告知)

⑥食品を介しての感染は今の時点で事例・事象がないこと(再告知)

などが内容です。

 

そしてもう一つ、大事にして欲しいのは該当者や従業員・スタッフに対する誹謗中傷をしないで欲しいとのお願いです。これは経営者・オーナーとしての気持ちで良いです。

この第2報は結果報告や会社としての対応策とともに、会社の姿勢を表すものです。

お客様のことだけではなく、従業員・スタッフも守ること。

会社やお店が危機に陥った時、経営者やオーナーが社内外に対してどのような発信をするのか、お客様はもちろん従業員・スタッフも見ています。

特に会社や経営者が従業員・スタッフを守るということ。

これが社内にどれだけの安心・勇気・未来への希望をもたらすか。

経営者はちゃんと考え発信することです。

4.第3報・第4報は消毒状況や営業再開について

ある程度目処がついたら、営業再開となりますがその間も経過や状況を伝えておく。

保健所からの指導でどんな消毒をしたのか。具体的な消毒風景(画像や動画)や方法を発信することもお客様の安心につながります。

さらには、お客様からの励ましの声、応援の声。これは従業員に勇気と元気を生み出します。もちろん経営者やオーナーも同じですね!

どんな状況であっても、真面目に商いをしてきていれば必ず応援してくれるお客さんがいます。メールやSNS、お葉書などでの応援メッセージへの感謝・お礼なども経過情報として発信していくこと。

感染に関するネガティブ情報だけが発信するものではありません。

温かい声や応援、社内の前向きな取り組みなどポジティブな情報も発信すること。

経営自身が悲観的にならないことです。

営業再開にあたっては、

①引き続き、お客様とスタッフの安全を第一に考えた衛生管理・店内対応を行うこと

 (基本的な感染対策、店舗としての対応、連携専門機関とのやりとりなど)

②営業再開の日にち、

③従業員の現況

④営業自粛中の応援・励ましに対するお礼、風評被害・誹謗中傷がなかったことへのお礼

が発信内容の主なものです。

5.営業再開後も継続的に情報発信を

冒頭でもお伝えした通り、今回のコロナウイルスで怖いのは「人の心」

この「人の心」というのはとても難しくて。

・ウイルスに対する感度(恐怖感)の温度差

・感染予防対策に対する温度差

・感染予防に関する時間軸の温度差(長く引きずるタイプ、短期的に解消するタイプなど)

個々人で温度差が違うという点を考慮しておく必要があります。

特に情報発信で抑えておいて欲しいのは、時間軸の温度差です。濃厚接触・感染があったても、他スタッフの検査、保健所のお墨付き、衛生管理の強化をして営業再開をして終わりとならない人たちもいるということ。

営業再開後も定期的に感染予防に対する情報発信をしておくことをお勧めしています。

それだけに記事を作る必要はありません。

ホームページやSNSに情報(イベント催事や季節商品のご案内など)を掲載する時に、スタッフの体調や、日々行なっている衛生管理の方法も触れておくこと。

そうすることで、お客さんはもちろん社内に対しても衛生管理の意識づけを継続的に持つことができます。

もちろん、営業再開後のお客様の声、応援へのお礼などもありです。

6.経営者・オーナーは冷静に。対応はプラス発想・ポジティブに!

お客さんや地域にとって洋菓子店・ケーキ屋さん、お菓子屋さんはポジティブな存在、幸せや楽しい場所です。

確かにウイルス感染というのはマイナスでありネガティブ。ですがマイナスだけではない。こういう時こそお客さんからの応援や励ましをポジティブ・プラス発想に捉えること。マイナスの対応だけではなく、プラスの情報も発信していくことが大事だと考えます。

そのためには経営者・オーナー自身が冷静に現状を把握し、正しく判断すること。そうすることで危機の中にも光明があり、従業員・スタッフの不安を解消するためのヒントが見えてきます。

お客さんだって、こんなことで大事な洋菓子店やケーキ屋さんが潰れて欲しいとは思っていない。多くのお客さんが、あなたのお店を応援し、励ましてくれるはず。表立っては言えないが心の中で応援してくれる人もいます。こういうポジティブ情報こそ社内外で共有して欲しい。ポジティブな菓子店にこそ、未来があると思います。

7.不安だけど考えておいて欲しい、社内のコロナ感染対策

コロナウイルスがどのような形で収束して行くのか。これはまだ誰もわかりません。ただ想定されるのは撲滅されることはなく、ウイルスと共存する未来があるということ。

Withコロナの時代です。

その中で、あなたの会社やお店からウイルス感染者が出ないという保証はない。経営者・オーナーとしてはあると想定して今から対策を考えておく。

心の準備をしておく。将来起こるであろうリスクを考えておく。これが経営者の仕事です。

対応はお客様や地域の人など、社外だけではありません。社内。従業員・スタッフもこういう時に経営者やオーナーがどう動き、何を発言・発信するのか。

自分たちを守ってくれる会社か?

それとも世間の矢面に放り出してしまう会社か?

危機にあたって動揺し動けなくなる会社か?

危機を乗り越えていく頼れる会社か?

世の中や社会に対して誠実に対応できる会社か?自分たちが誇りを持って働ける会社か?

 

そこを見ています。

もしかすると。社内からウイルス感染者が出たという事実よりも、それに対する対応が未来に大きく影響する。

そう言えるかもしれません。

あなたはどう対応しますか?

コロナウイルスに対する「人の心」はすでに変化しています。起こりうるであろう不安の未来に目を背けて、いざという時にあたふたするか。今からちゃんと準備し、いざという時に冷静に、正しく状況を把握、正しく対応を取ることができるか。とはいえ、いざとなれば不安なこともあると思いますので、その際はいち早くご相談ください。

このことが洋菓子業界、製菓業界全体を守る一つのきっかけになればと思います。

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