【物価高時代の経営】値上げして売れなくなったと悩む前にやること

【物価高騰時代の経営】値上げして売れなくなったと悩む前にやること

中小企業の利益を3倍にする経営伴走パートナー 本田信輔です。

最近、一気に増えてきた「値上げして売れなくなった」というご相談

売れない原因を「物価高」や「値上げ」や「お客さんが価格にシビアになった」ということにしたいのかもしれませんが、経営者がこれを理由にしてしまうと最終的には「経営を諦める」という結論にしかなりません。

こういう相談を受けた際、

今後も物価高や人件費の上昇は続きます。あなたの会社だけが値上げしているわけでもありません。競合他社も、別業界も値上げは続いています。とお伝えします。

さらに言えば。売れない原因は「値上げ」ではないこと。

特に中小企業の場合、価格競争ではなく、今まで品質や技術を強みとしてきたのであれば、売上が落ちるポイントは値上げとは違うところにあります。

そこにオーナーや経営者が気づくかどうか。

「値上げ」だけをして、売上や客数が落ちたと嘆いているのであれば、やれることはたくさんあります。

今回は、物価高騰時代の経営のヒント。

「値上げして売れなくなった」と嘆く経営者の方へ。値上げとともに、経営者は何を見直し、どのように改善していくか、ポイントをまとめてお伝えします。

 

1.値上げでお客様の不満や客離れにつながる要因は何か

値上げをして、お客様があなたのお店や商品・サービスを選択しなくなった原因は「価格が上がったこと」ではありません。

特に今までのお客様は、あなたのお店の商品やサービスの品質に満足しているからこそ選択してくれていましたし、物価高騰の世の中、商品価格が上がることは理解してくれています。

それでも値上げで不満や客離れが大きくなっている理由は

「上がった価格に対して、今まで以上の価値を感じられない」ということ。この原因に気づかないお店や会社は、値上げによる不満や客離れが大きくなります。

“価格が上がった分、お客様のお店や商品・サービスの価値をみる基準が上がっている”ことに気づかず、値上げだけをして、それ以外は今までの商品・販売方法と同じままであれば、売上を大きく落とすというのは、ある意味当然の結果とも言えます。

では。商品やサービスの質に満足し、値上げにも理解を示してくれているお客様は、あなたのお店や会社に何に求めているのでしょうか。

 

2.あなたのお店や会社の基礎レベルは上がっているか?

お客様が求めるものの最初に“基礎レベルは上がっているか”を記載するのは、値上げしたときに一番増えるクレームや不満は“お店や商品の基礎レベル”に由来することだからです。

会社やお店で言えば、

  • 掃除や整理整頓のレベル
  • 経営者やスタッフの身だしなみのレベル
  • 言葉遣いのレベル

こういったものです。

お客様は価格が上がった分、今まで以上に「良いものを買う、高いものを買う」気持ちでお店に来店します。このブログを読んでいる方は想像してみてください。ご自身が、

  • 高いホテルや旅館に宿泊する
  • 高級ブランドを購入する
  • 高いお金を出して飲食店で食事をする

こういう時。もちろん商品の品質・性能は重要でしょう。

ですが、それだけではない。販売スタッフの言葉遣いや店内・施設内が綺麗に整理整頓されているところで買いたい。逆にそういった当たり前の基礎ができていないところで高い買い物はしたくない。そう思いませんか?

値段の高いものを販売しているお店や飲食店、旅館やホテル、サービス業では、お客様から見える部分に社内の書類や道具は置いていません。身だしなみもちゃんとしています。

「うちはそんな高いものは売ってないよ!」と言われる方もいるかもしれません。

ですが、値上げした時点で、以前の価格よりも高い価格で商品を買うということは、お客様が今まで以上の基礎レベルを求めるということです。

「うちは前から他社よりも、綺麗に、整理整頓しているよ」と言われる方もいらっしゃいます。

それが大きな勘違い。お客様はあなたの会社の“今まで以上”を求めているからです。

自分たちの基準をさらにレベルアップする必要があるのです。

 

【利益を3倍に高めた地方にある飲食店の話】

人口1.7万人の地方都市。飲食店ビルの奥にテナントとして入っていた小さな飲食店で値上げをしたときの事例です。

値上げとともに行ったのは、ビルの入り口から自店の入り口までを掃除すること。

値上げ前の掃除はお店の中だけ。ビルの入り口から時点に至る通路は共有部分として気にもかけていませんでしたが、実際は通路天井には蜘蛛の巣が張り、汚れている状態。

値上げとともに、共有の通路までを掃除することで、お客様に心地よくお店に来てもらえる環境を作ること。これが価値を高めることに直結。

結果は値上げをしたにもかかわらず客数は増加。売上は120%UP。利益は3倍以上の結果となりました。

  • 今まで掃除をしていなかったところ。たとえば屋外や駐車場、店舗前の歩道や道路、お店から見える店内工房やバックヤード、営業者の車内などの掃除。自分たちは見られていてないと思っても、お客様からは見られている。少しでもアラが見えれば、お客様の上がった基準に到達していないと不満につながります。
  • 整理整頓。自分たちの都合や効率的といった理由で置いてある道具や資材がお客様から見て“散らかっている”と思われないか。注文票や伝票など、お客様に関係ない書類が見えるところに貼っていないか?
  • 服装や身だしなみ。「いつも洗濯しているよ」という場合でも、洗濯以前に服装自体の汚れや劣化摩耗している場合も。お客様に接点のない製造や事務スタッフであっても、お客様から見られていることがあります。

大事なのは“今まで以上に自分たちの基礎レベルに対する視点や基準を上げる”です。

店作りだけではなく、商品製造における仕上げなども基礎レベルに該当します。

「いつもやってる」「日頃から心がけている」といっても、どうしても日々の当たり前すぎて、現状レベルから脱却できず、お客様の不満に気づかないケースは意外と多いです。

 

3.商品やサービスの価値を高める取り組みをしているか?

ここでいう価値を高めるというのは商品自体をレベルアップしたり、リニューアルするということではありません。

今までと同じ商品やサービスが持っている「いまだに伝えきれていない価値」を見つけ出し、お客様に知ってもらうことです。

もしも今と同じ商品で価値を上げられないのであれば、新商品を投入することも考えなくてはなりません。

物価高の中で、買い控えなどお客様の“商品を購入するハードル”は上がっています。それだけに商品の価値を高め、「その商品やサービスを買う理由」を高める必要があります。

同じ商品であっても、

  • より深く商品のことを説明する
  • お客様にどんなメリットがあるかを伝える
  • 販促物に掲載する商品写真を変える
  • 提供方法を変える
  • 自分たちの技術、手作り、目利き力などを正しく認識して伝える

こういった取り組みで、商品の価値を高めることは十分に可能。セールストーク、商品の販売方法、試食やサンプルの出し方、売り場づくり、販促物やメニューブック、ホームページなど。価値を伝えられる場所や場面はたくさんあります。

自分たちが自社や商品やサービスの価値を再認識・再発見し、値上げと合わせて今ある商品やサービスの価値を高める取り組みを並行することで、“値上げされても買いたい”とより強く思ってもらえるようにすることが客離れや売上減を抑えるのです。

極端に言えば。

“プライスカードだけを変えて、値上げして売れなくなった”というのは、当たり前の結果かもしれません。物価高という中で、お客様はより強い買う理由を求めています。そのことに気づかないお店や会社が厳しい状況に追い込まれています。

 

4.お客様の買い方の変化に対応しているか?

コロナショックや世界情勢の急激な変化以降、昨今の急激な物価高によって、お客様の買い方は劇的に変化しました。

  • 自分にとって価値のあるものであれば、高くても良い。
  • 自分にとって価値のないものは、ネットで調べてとにかく安いものが良い。
  • 健康や安心安全に対する意識の今まで以上の高まり。
  • ギフトや観光におけるバラ撒き商品需要の消滅。
  • 必要なものを必要な数量で。少人数化、余り・無駄のない買い方。
  • 買うよりも、体験する価値への移行

食品業界の例で言うと、

あそこの商品は美味しいから値上げされても買いたい。でも今まで買っていた入り個数だと多すぎる。食べきれずに無駄になってしまうのであれば買えない。こういったお客様の意識の変化は、商品の入り個数やパッケージサイズの見直し、小分け商品やバラ売りなども検討しなければ買ってもらえません。

以前は旅行に出かけたら、会社の人などにお土産を配る風習があった。でもコロナを経て、会社では配らなくていい空気になった。

自分と親しい友人だけに良いものをお土産に買って帰ろう。お土産を買うよりも、現地で食べ歩きを楽しみたい。この場合は、高級感のある少量パッケージへの商品戦略見直しや、体験・食べ歩きなど新しい観光ニーズへ対応した業態や商品提供の進化なども考える必要があります。

逆に、物価高騰の中で変わっていないものとしてギフトや贈答の予算が挙げられます。

今までお歳暮で5,000円の商品を送っていた方が、物価高だからといって6,000円の高い商品を贈ることはありません。

ギフトや贈り物・お土産の予算は物価高に関係なく変わっていないのです。もしも個々の商品を値上げをした結果、箱入りやギフトの値段が上がっていたとしたら、、、。あなたのお店で予算に合う贈答ギフトがなくなれば、お客様は他のお店か別商品(例:今までお菓子を送っていた方が、果物や別の食料品を贈るようになる)へと流れてしまう。

お客様の予算やニーズに合わせて、贈答ギフトの商品は入り個数の見直しをする必要があるのです。

「売れなくなった原因」は値上げではなく、お客様の買い方の変化に対応できていない点が多くあり、お客様が商品品質に満足していたとしても、企業側が変化できておらず、買ってもらえる可能性を自ら下げている可能性があるのです。

自社の商品価値を再認識して、適切に活かし、商品の提供方法や新たな価値作りを行うことで、客離れを防ぎ、売上や利益を確保していくことが大事になっています。

 

いかがでしょうか。

「値上げで売れなくなった」と悩むより、値上げをしながらお客様に支持されるよう取り組みを進めている会社やお店が、物価高の時代でも売上や利益を維持し、さらには高める会社も出ています。

ここ数年で上がった原材料や資材、その他のコストが下がることは考えにくいです。

むしろ、人件費を含め今後さらに上昇していくことは容易に予測できます。

その環境下で、将来を見据えた経営者の方々は値上げすることを上手に活かし、会社やお店の価値を高めています。

やることはやった。その上でもう値上げは限界と感じている経営者の直感。それは間違いではありません。あなたの会社は次の利益戦略に移行する時期です。詳しくはこちらで解説しています。

 

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