うちは、こだわっていて、お客さんに“こだわり”を伝えている。
でも、売れない。利益が出ない。と相談される方がいらっしゃいます。
では質問です。
あなたのこだわりは、お客さんにとって本当に価値を感じるものでしょうか。
自分たちが思っているほど、価値として感じられていないのでは。
だから他との差別化とならない。そして利益につながらないのでは。
真面目に頑張って、経営やものづくりをしている人が陥りやすいワナ。
今回は、そのからくりについてお伝えしましょう。
1.あなたが今伝えている“こだわり”で、お客さんはどんな価値を感じているか?
お米を栽培し、販売している農家さん。
こだわりがあります。
———————————————————————
・このお米は特別栽培米です!
・良質な土づくりからはじめています!
・私たちがつくっています!
・自然のものを使用した肥料を使用しています!
・きれいな水、きれいな環境でつくっています!
——————————————————————
皆さんも、このような文言を一度は見た事があると思います。少しでもこだわった米づくりをしている農家さんであれば、何かしら発信している“こだわり”です
では、これらの“こだわり”がお客さんにとって、どのような価値となるか変換をしてみましょう。
2.こだわりを、お客さんが感じている価値へ変換してみよう
————————————————————————————————
このお米は特別栽培米です! → だから美味しい、安心安全です!
良質な土づくりからはじめています! → だから美味しいです!
私たちがつくっています! → だから安心です!
自然のものを使用した肥料を使用しています! →だから安心安全です!
きれいな水、きれいな環境でつくっています →だから美味しい、安心安全です!
———————————————————————————————
いかがでしょう。気づかれましたか?
美味しいです!と安心安全です! と二つの価値を繰り返しているだけと気づきますね。
ここがミソ。
皆さんは、マズくて、安全ではないお米を買いますか?
ほとんどの人が、美味しくて、安心安全なお米を買いますね。
他の米農家さんも、表現やこだわりの製法は違いますが、同じ事を言っています。
つまり、こだわりをたくさん並べて発信していても、
結局のところは、お客さんが買う為の最低条件をクリアしているだけ。
しかも、美味しさという要素は、一人一人異なるもの。
そのため、他の農家との明確な差別化にはならない。
だから、付加価値や商品価値を大きく高めることにならず、
結果、価格競争になってしまう。
これが “こだわり”=付加価値にならない=価格競争=利益が出づらい のからくりです。
自分たちの“こだわり”が、お客様にとって、どんな価値となっているか。
価値をお客様の立場で変換してみる必要がありますね。
3.自分達の“こだわり”をチェックしてみよう
では今、自分達のこだわりはどうなっていますか?
チェックのポイントは2つ。
ポイント1:同じ価値の繰り返しになっていないか
こだわりを色々と並べていますが、そのこだわりがお客さんに伝える価値が同じになっていませんか。こだわり=付加価値ではありません。こだわりとは、お客さんが商品やサービスに対して持っている価値を裏付けるものです。
同じ価値の裏付けをいくつ足しても、価値の幅は広がりません。
わかりやすく言えば、
美味しいです! 美味しいです!を繰り返すより、
美味しいです! しかも 体に良いものを使っています。
美味しいです! しかも 体に良いものを使っています。 しかも 女性にとって食べやすいように仕上げています。
と価値を重ねるよう発想してください。
接続詞の”しかも”を上手に活用することがコツです。
自分達がこだわっている要素をもう一度見つめ直し、違う価値を裏付けできる“こだわり”を発信していくことを考えましょう。その“こだわり”はほとんどの場合、身近に隠れています。
これを価値の掛け算と言います。
ポイント2:同業・競合と同じ価値となっていないか
差別化とは、同業他社と違うポイントで価値をつくることです。
“こだわり”の表現や製法などは違っていても、結局は同じ価値を伝えている。
という状況になっていないか、今のこだわりで安心していないか。
もう一度、考えてみましょう。
他とは違う価値があるからこそ、自分達の商品やサービスを選択してもらえる。
他には無い価値だからこそ、利益のとれる価格でも購入してもらえる。
だから利益を得ることができます。
目線を変えたり、違うターゲットや客層を想定してみると考えやすくなります。
社内ではない人、部外者、専門家に客観的な視点でみてもらうことも効果がありますね。
いかがでしょうか。
もう一度、あなたの“こだわり”と“付加価値”について考えてみては。
価値という視点で“こだわり”を見ると案外、足元に利益のネタが眠っているかもしれません。
事例 年商1.8億円 地方の洋菓子店はどのようにして利益3倍化を実現したか。
業務効率化で失敗する4つの落とし穴〜中小企業の経営者が陥るワナ
休みを増やしながら売上・利益・給与を高める好循環の作り方 働き方改革・有給義務化に向けて
中小企業の値上げを成功させる7つのコツ。売上アップ!利益は倍増!!
=PR=































