経営のこと

組織が動かない理由とは?中小企業に共通する3つの「詰まり」

組織が動かない理由とは?中小企業に共通する3つの「詰まり」

・社長は動いている
・会議もしている
・社内に方針も、具体的な指示もしている
・自分のやり方は、外部の人には評価されている

それなのに会社が動かない。
社内がついてこない。

これは、多くの中小企業で起きている現象であり、
会社の詰まりのようなものでもあります。

悩む経営者の方の多くは
「うちは幹部が弱い、育っていない」
「うちの現場の意識や緊張感が足りない」
「どうせ、従業員だから・・・」
と人の問題にしがち。

→社長の危機感が伝わらない理由はこちら

→値上げが止まる構造についてはこちら

でも、本当にそうなのでしょうか?
本当に人の問題なのでしょうか?

ここからが本題です。
多くの現場を見てきて、確信しているのは、
これは経営者も現場も、個人の能力の問題ではなく、
組織という構造に生じた「3つの詰まり」に原因があるということ。

動かないと悩む前に、
この詰まりの存在を知ることが必要。

今回は、このテーマを整理していきます。

1.組織が動かないのはなぜか?3つの詰まりとは

社長が頑張って動いていて、社内に的確な指示を出したとしても、
現場が動かない会社は少なくありません。

共通しているのは大きく3つ。
これが、組織が止まってしまう・動けなくする原因です。

①視点の詰まり|社長と現場の危機感がズレる理由

社長は未来を見ています。
会社全体の数字、資金繰り、外部や金融機関との関係を見ています。
一方、
現場が見ているのは、
今日の売り上げ、目の前のお客様、目の前の仕事、明日のシフトを見ている。

「うちの現場は、危機感が足りない。社長の自分はこんなに頑張っているのに」
と相談されて、参加したある会社の月例会議。
売上や生産性は、幹部やリーダーに共有されていて、
数字からは厳しい状況は一目瞭然。
各部門から報告があるたび、社長はリーダーに対して、
「努力が足りないのでは?」
「前回、やると決めたことはできたのか?」
という強い問いかけばかり。

現場リーダーからは
「忙しくて、人が足りなくて・・・」
「どのように手配するか、わからなくて・・・」
のような返答ばかり。

このできなかった理由こそ、
見ている視点の違いを象徴するもの。
経営者は、数字をよくする視点。
現場は、日常を守ろうとする視点。
この会社の会議には、そのことが顕著に表れていました。

この会社に限らず、
多くの中小企業では、数字は共有されていると言います。
しかし、共有されているのは「数字という結果」だけ。

なぜ、厳しいのか、どこにリスクがあるのか、
今後、何が起こるか、社長はどう未来を予測しているかが共有されていない。
だから、視点が揃わない。

見ている視点が違えば、感じる危機感も違って当然。
だから、同じ言葉でも響き方が違う。

この視点の違いを前提にしていないこと。

これが、組織を止める一つ目の詰まりです。

②責任の詰まり|決める人が曖昧な組織は止まる

例えば、値上げや価格決定。
中小企業で価格を決めるのは経営者である社長。
それにも関わらず、
「いくらにするのが良いと思う? みんなで決めて」
現場に判断を委ねてしまう。
経営者の責任を曖昧にさせるような言動があると、
現場は責任を負っている売上や客離れを想定して、守りに入ります。
結果、何も決まらない。値上げできない。

「みんなで決めよう」 「現場の声を聞いて」
よく、中小企業で出る言葉です。
現場の意見を聞く、現場主義、そのような声のもとで、
一見、良いことをやっているように見えます。
ですが、誰が最終決定者なのか曖昧なので、
誰もリスクを取りません。

なぜか、
誰も「これの責任は、私にある」とは明言しない。

決めないということは、実は最も安心なこと。
変えなければ、失敗もない。
だから、組織は動かない。そして止まっていきます。

・誰が最終決定者なのかが曖昧
・「みんなで決めよう」とする空気
・経営が負う責任と、現場が負う責任が混ざっている

この状態では、何も決まらず、動かなくなる。
これが二つ目の詰まりです。

③安心の詰まり|変わらなくても、回る組織の罠

経営者は経営数値や、変わり続けている外の情報に触れて、
「うちも変わらなくては」と感じます。

ある会社では、経営が厳しく、
製造現場の生産性を高めるための改善をしようとしても、
現場リーダーや製造スタッフが全く変わらないというジレンマに落ちていました。
製造ラインの見直し、時間あたりの製造個数、改善目標を設定しても一向に達成しない。
コストを見直し、経営者の役員報酬をギリギリまで下げても厳しい。

その状況に郷を煮やした、リーダー会議での幹部の一言。
「本当はリストラなんかしたくない・・・」
この一言があった直後から、現場リーダーは変わってきました。
理由は明確。
“自分たちに直結することが起こる”
そう感じたから。
それからは、現場リーダーが生産性を上げることについて、
少しずつ相談をしてくれるようになり、
製造現場も改善が進むようになってきています。

現場は会社の数字が厳しくても、
日々の仕事は変わらない。
給与は出ている、日々の業務は回っている。
つまり、変わらなくても“今日は”回ってしまう。
「根拠なき、楽観」
になりやすい。

・今すぐには困っていない
・給与は出ている
・大きな失敗をしていない

経営の危機よりも「日常の慣れ」の方が強いものです。
「現場は変えられるのが嫌」
これは、中小企業の社長がよく使うフレーズです。
経営者もなんとなく、そこはわかっている。
その上で、変化をしてもらうためには
何が必要か。
それは「変える理由」

人も組織も、変わる理由が必要です。

ところが、変わる理由が説明されていない。
現場の言葉に整理されていない。

変わる理由が社内に感じられないのに、
変われと言われる矛盾。
現場がそう感じている。

組織は、痛みが現実になるまで動かない。
しかし経営者は、その前に動かなければいけない立場。
これが認識され、言葉として整理されていない。

これが三つ目の詰まりです。

④詰まりを放置すると、組織はどうなるか

まず、この詰まり。
時間が経つことで、自然に解消することはありません。
むしろ、時間が経つことで強く、固くなってしまいます。

この詰まりに気づかないまま、
多くの社長がやってしまうのは、

・さらに危機感を煽ってしまう
・もっと頑張れと言ってしまう
・現場が決めるようなことまで、指示してしまう
・会議の回数を増やす
こうした対処を続けてしまう。

結果、
危機感を煽るほど、視点の違いは広がり
頑張れというほど、現場は
“これ以上負担を増やされたくない”という防御反応が強まる。
指示するほど、組織は指示待ちになり
会議を増やすほど、責任は拡散していく

やがて、現場は何も反応しなくなり、
経営者だけがますます焦り、孤独に悩みを抱えていく。

まとめ

組織が止まっている理由は、
人の能力や、やる気の問題ではありません。

視点の違い。
責任の曖昧さ。
そして、変わらなくても回ってしまう安心という空気。
これらの「詰まり」を、人のせいにしている限り、
同じ現象が繰り返されます。

組織は、感情だけでではなく、構造で動きます。
だからこそ、
人ではなく、関わり方と意思決定を見直していく。

・意思決定をどのようにするか
・責任をどのように明確にするか
・数字の共有方法
・会議の目的や進め方を改める
・経営者の役割や立ち位置

これらを整えていくことで、
組織は少しずつ動き始めます。

誰かを責めるのはやめて、
構造を整えることに目を向けていく。

それが、止まった組織を動かす第一歩です。

私の役割は、
経営者の思考を整え、
それを現場へ通し、具体的な動きにすること。

組織は変えられます。

ただし、一人では難しいこともあります。
あなたの会社に合わせて、整えることで
必ず動く組織になっていきます。

組織を動かしたいあなたへ。

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