ディズニーはなぜ人を魅了し続けるのか 人を集め続ける商いの基本

経営のこと

年間3000万人。

ディズニーランドとディズニーシーに来場するゲストの人数です。

しかも、この高い集客を継続しているのがディズニーリゾート。

日本の人口は約1.27億人ですから。

4人に1人はディズニーに年1回行っている計算になります。

 

先日、25年ぶりに訪れたディズニーランド。

家族をもつ父親として。経営コンサルタントとして。

色々な視点でディズニーランドを見てみると、

そこには人を魅了し、集め続けるキーワードがありました。

 

ディズニーランドで実際に感じた、そのポイントをまとめています。

 

1.とにかくキャスト(従業員)が楽しそうに働いている

入場してみて、まず感じたのがキャストと呼ばれる従業員から滲み出る“楽しい”オーラ。

ディズニーの代名詞とも言える、サービス力の源泉がここにあると感じます。

 

ゲストが不機嫌であっても、笑顔に変える。

アトラクションに乗るために行列に並んでも、いざ乗るときにはキャストの生み出す“楽しいオーラ”で最高の楽しみを味わうことができる。

 

マニュアルを超え、自分自身の決めた行動で、お客様の喜びを創造することができる実感。

それが、自分の喜びや幸せになる。

 

ディズニーの理念である、ハピネス(幸福感)の提供は、お客様だけではなく、そこで働く人たちがベースと実感できます。

 

これは、どの企業でも、組織でも同じですね。

自分で決められる土壌があるか。

それがお客様や目の前の人の喜びに繋がると実感できるか。

 

ゲストの喜びの前に、キャストの喜びや楽しみがある。

ゲストが喜ぶから、キャストが喜ぶのではない。

 

“自分達の仕事や、自身の決めた行動が、喜びに繋がる”

この事をスタートのトレーニングや研修段階で、伝えることができているか。

商いで人を集める基本は

“自分達が充実し、満足した仕事をし、喜びを感じているか”

ここにあります。

 

まさにディズニーランドは、この商いの基本を感じることができました。

 

2.マニュアルを超えたサービスの前提は圧倒的な基礎力

前の項で書いたように、ディズニーの代名詞はマニュアルを超えたサービス。

ですが今回、それ以上に感銘を受けたのが圧倒的な基礎力。

 

今回、偶然 ファストパス発券機のシステムトラブルに遭遇しました。

この時のキャストの対応はさすがなもの。

慌てることなく、毅然とした対応。

特に感心したのは、システムエラーからの復帰した瞬間。

 

複数ある機械の後ろに、数人のキャストが一列に立ち、復帰と同時に一斉にカバーを外し、ゲストの対応を始めました。

その時の立ち姿、行動の美しさはさすがです。

 

笑顔、個別対応、柔軟など、ディズニーのサービスはとても温かく柔らかいイメージを持っていましたが、あのように時として毅然とした、整然とした姿を見せられると、親しみに加えて、憧れや尊敬心を感じます。

 

この体験をしてから、パーク内を歩いてみると、キャストの通常時、なんでもない時の表情や立ち振る舞いに驚きます。

 

どんな時でも、緊張感を持った表情。

背筋を伸ばした歩き方。一つ一つの仕草。

行動のメリハリ。

 

基礎力というと、スキルや技術的なものや、接客時のお辞儀や笑顔などに注目しがちですが、なんでもない時にどれだけ緊張感を持っていられるかが、本当の基礎力と思えます。

 

お辞儀や笑顔だけではなく、通常時の表情や行動にも意識を持たせることができるか。

そこに、さすがと呼ばれるブランド力やサービス力が生まれますね。

 

3.常に変化とチャレンジ

1日では全てを体験することができない。

その時しかない、ショーや限定商品がある。

確かに、一年を通して、各シーズンやイベント毎に園内の企画は変化しています。

私が行った時はクリスマスシーズンのスタート。

どこを見てもクリスマス。

演出やショーはもちろん、商品もクリスマス一色。雪やサンタ。トナカイやそり。イルミネーション。白と赤のデザインがほとんど。今しか体験できない、買えないものばかり。

 

常に変化しているから、何度も行きたいというのは納得できます。

さらに、同じシーズンでも去年と今年では違う。

季節によって変化する。

経年で変化する。

 

そうしてもう一つ。

これはディズニーのことを調べていく中で発見したこと。

ディズニーリゾートでは1〜3年の間隔で、新たなアトラクションを導入しているのをご存知でしょうか。

ディズニーランドとディズニーシーを重ねてみれば、ほぼ1年〜2年で新アトラクションが導入されています(既設アトラクションのリニューアル含む)

最近であれば、

ソアリン・ファンタスティック・フライト 2019年

イッツ・ア・スモールワールドのリニューアル 2018年

ニモ&フレンズ・シーライダー 2017年

スティッチ・エンカウンター(リロ&スティッチ) 2015年

マーメイドラグーンシアターのリニューアル 2015年

ジャングルクルーズ 2014年

スター・ツアーズ:ザ・アドベンチャーズ・コンティニュー 2013年

トイストーリーマニア 2012年

ジャスミンのフライングカーペット 2011年

ミッキーのフィルハーマジック 2011年

 

これ以前も定期的に新しいアトラクションが導入されていますし、パレードやグリーディング施設も定期的に新設・導入されています。

 

では、このアトラクションはどうやって生み出されているのか?

ほとんどはディズニーやピクサー映画のテーマです。

ではディズニーでは今までに、どれくらいの映画をつくっているか

 

アナ雪と冬の女王、ピートと秘密の友達、ディズニープリンセス

くまのプーさん、スター・ウォーズ、ミッキー&フレンズ、塔の上のラプンツェル

ちいさなプリンセス ソフィア、ジャングル・ブック、トイ・ストーリー

ファインディング・ドリー、ズートピア、ピーター・パン、アラジン

チップ&デール、モンスターズ・インク、スティッチ、リトルマーメイド

カーズ、ファインティング・ニモ、Mr.インクレディブル、ムーラン

レミーのおいしいレストラン、ライオンキング、シンデレラ、白雪姫

ウォーリー、美女と野獣、不思議の国のアリス、パイレーツオブカリビアン

101匹わんちゃん、ダンボ 等々。

 

これはほんの一部。100以上の映画を製作しています。

どうでしょう。あまり覚えていないものや、あまりヒットしなかったものもあるでしょう。

とはいえ、ディズニーが魅力的なアトラクションを創り出せるのは、100を超えるチャレンジがあるからといえます。

 

映画を作るには、多額の資金、人、時間の投入が必要です。

もちろん全て成功するつもりで製作していると思いますが、時にはハズレもある。

大事なのは定期的に新しい領域にチャレンジしているという点。

 

もしもディズニーが新たな領域にチャレンジせず、ミッキーマウスを中心としたキャラクターだけを変化させたり、ミッキーマウスから派生させたキャラクターばかりであったら、ここまでの魅力は生まれなかったのではと思います。

 

定期的に、一定のコスト、ヒト、時間を投資して新しい領域や商品にチャレンジする。

当然失敗したり、うまくいかないこともある。ハズレがある。

それでもチャレンジを続けていく。そこに魅力的な新しい柱が生まれる。

これは企業や店舗だけではなく、個人にも当てはまりますね。

 

4.誰もが同じ価値を提供できる

今回、ディズニーランドに行ったのは、娘の誕生祝いも兼ねて。

当然ホテルの方には、娘が誕生日の情報を伝えていますので、フロントで対応してくれたコンシェルジュ、荷物を運んでくれたスタッフの方からお祝いの言葉をいただきました。

 

これだけであれば、他のホテルでも体験できます。

 

ですが、それ以上に驚いたのは翌日。

部屋を出て廊下を歩いていた時に、ルーム清掃の方とすれ違いの際にお祝いの声をもらえたこと。確かに誕生日のプレゼントを持っていましたが、それでも驚きました。

 

フロントスタッフなどは、情報共有がされていると思いますが、バックスタッフの方まで情報は行っていないはず。仮にバックヤードに“○○室に宿泊のお客様はお誕生日”とあっても、胸に部屋番号をつけて歩いているわけではないので、廊下ですれ違う相手の客室はわからない。それでも声をかけられる。

 

ここが凄い。職域を超えて誰でもできるという点。

フロントスタッフでも、バックスタッフでも同じ対応ができるというのはさすがです。

 

例えば、あなたの会社。

製造スタッフは、店舗スタッフと同じように商品説明ができますか? お客様へ挨拶ができますか?

逆も同じ。

販売スタッフは、製造スタッフと同じように、商品の製造工程を詳しく説明できますか?

 

自分の仕事ではない。意外にできないものです。

誰もがお客様に自分たちが提供したい価値を提供できる。

組織風土として意識しなければ難しいですし、セクションによる分業意識の見直なども重要ですね。

 

5.自分達のお客さまは○○という定義が明確&主力に対する自信と確信。

これは、私の直感的なものもあるのですが、

ディズニーリゾートのキャスト、従業員さんは、どんな仕事の人でも、自分達の目の前にいるお客様を以下のように定義しているのではないでしょうか?

 

“目の前にいるお客様は、ミッキーマウスが絶対に好きだろう”

“目の前にいるお客様は、ミッキーマウスのことを必ず好きになってくれるだろう”

 

主力キャラクターであるミッキーマウス。

ある意味、企業でいえば主力商品に対する絶対的な自信。

明確なお客様定義、ターゲット設定です。

 

感動的なサービスとなっているのは、ほとんどがミッキーマウス。

雨の日に清掃係の人が描いてくれるのもミッキーマウス。

サプライズで訪れてくれたり、手紙をくれるのもミッキーマウス。

 

ミッキーマウスが好きだろう。必ず好きになってくれるだろう。と定義づけているから、お客様に“どのキャラクターが良いですか”とは聞かない。

 

例えば、サプライズでバースデーカードを用意してくれた時、

“これはミッキーマウスから預かった、お祝いのお手紙です”

と言われるのが嬉しいか。

個別対応だからと、

“このキャラクターの中から、お好きなものを選んでください”

と言われるのが嬉しいか。

 

前者の方が感動的なサービスになりますし、仮にその時、ミッキーマウスのファンでなくても、そのサービスを受けたらファンになってしまいますね。

 

色々な選択肢を用意して提供するサービスよりも、自分達のお客様定義を明確にし、そのお客様に最大限喜んでもらえるサービスをする方がはるかに感動的なサービスを生み出すことができる一例です。

さらに言えば、感動的なサービスがミッキーマウスの熱烈なファンを創り出すことにもつながる。

 

ディズニーはまさにそれが明確。

 

会社でいえば、主力商品に対する従業員の絶対的な自信。

どんな相手でも、自信を持って主力商品を薦めることができているか。

相手が必ず主力商品の熱烈なファンになってくれるだろうと信じてサービスをしているか。

 

そのためには、自分達のお客様を明確に定義することが不可欠。

個別対応として、お客様に合わせるということも大事ですが、自分たちが絶対に自信と確信を持って商品やサービスを徹底的に提供することが、熱烈なファン客作りにつながります。

 

いかがでしたか。

実際にディズニーランド、ディズニーリゾートが運営するホテルなどを体験して感じたことをまとめてみました。

1.従業員が楽しそう、充実して仕事をしている

2.基礎力を高め続ける

3.常に変化し、チャレンジを続ける

4.職域を超えて、お客様に価値を提供する

5.自分たちのお客様を定義づける&主力商品への自信と確信

商いの当たり前。大きな企業や組織だから。あればディズニーだからではなく、中小企業や個人でも同じこと。

ディズニーリゾートは当たり前のことをより高いレベルで徹底している。

その結果が圧倒的な感動と満足を生み出し、高い集客を継続できていると考えます。

 

まずは一つ一つ、あなたの会社に当てはめてチェックしてみては。

繁盛していたり、人を集めているところには必ず何かのヒントが眠っています。

大切なのは“実際に自分の目で見て、感じて、体験すること”

間違っても“誰かの言葉や、インターネットの情報、過去の知識で判断しないこと”

 

家族、小さな子供がいる父親という視点。

経営コンサルタントという視点。

経営者としての視点。

色々な視点で満喫し、たくさんのことを学んできました。また別の視点を加えて行ってみたいなと思います。

 

日頃より、このような洞察を企業の改善提案に生かしています。

中小企業だからできないではなく、あなたの会社でもできるようにアレンジし、提案するのが私たちの仕事です。

たまには自分の枠を超えて、体験してみましょう。

きっと成長につながる新しい発見がありますよ!!!

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