孤高な社長の孤独経営コラム

コンサルタントを入れて失敗?うまくいかない経営改善。事例から学ぶ5つのポイント

中小企業の利益を3倍にする経営改善コンサルタント 本田信輔です。

中小企業の経営者が真剣に経営改善に取り組んでいるにもかかわらず、失敗する事例は少なくありません。

経営コンサルタントとして、何度も経営改善にチャレンジしたけどうまくいかないという経営者や会社からご相談いただくこともありますし、時には「他のコンサルタントに依頼したけど、うまくいかなかったから」と言われる経営者もいらっしゃいます。

「コンサルタントの力が足りなかった」「どこかの会社で提案した内容と同じ内容。提案の焼き回しだった」

そんな話を聞けばコンサルタントとして心苦しい時もありますが、経営改善がうまくいかないと相談に来られる経営者、各々に思いや理由を聞いていくと、実際のところお話されている内容が原因の全てではないと感じる時があります。

中小企業の経営改善で失敗する典型パターンを整理していくと5つに分けられます。

この記事では経営改善がうまくいかない典型パターンについて説明します。

1.経営改善の失敗を他人や外部環境のせいにしている

「外部環境が悪かった。景気が良くないから」

「社員や従業員が思った通りに動いてくれなかった」

「地方だから。人口が減った。安いものしか売れない地域だから」

「運が悪かった」

「想定外のことが起きた。タイミングが悪かった」

改善失敗の原因として、外部環境や他人のせいにしている理由として良く挙がるものです。

きつい言い方になるかもしれませんが、

  • 経営をしていれば、想定外のことは起こるものです。
  • 外部環境を予測した経営改善をしていなかっただけです。

失敗の原因をよく分析してみると、

  • 「改善(計画)を考える最初の時点で、すでに失敗する可能性が高かった」ということ。

コンサルタントに改善計画を作ってもらうときに、そこまで議論していなかった。

もう一ついえば、

  • 「改善計画や取り組みを状況に合わせて変化できなかった」

この原因は外部環境にあるわけでもなく、社員や従業員にあるわけでもありません。

  • 根本である経営者の思考・考えが十分に練りこまれていなかっただけ。

この一点です。

経営者自身が、考えや思考を改善する(より良くする)ことが経営改善の大前提。どんなに従業員が優秀でも、この点を疎かにして改善をしようとしても、うまくいくはずがありません。何度やっても同じです。スタート時点で失敗しているケースです。

 

2.経営改善計画書を作って満足している。

大手コンサルティングファームや、銀行のマーケティング部門、会計事務所などが協力してくれて作る経営改善計画書。

企業の規模にもよりますが、数百万〜数千万の費用をかけて分厚い報告書が出来上がってくるケース。内容を読めば、なるほどと思う分析診断・提案が入っているのですが、後生大事に事務所の棚に飾ってある場合や、経営者の机に入ったままになっていることも。

  • 立派な計画書を作って満足している。
  • 経営改善計画書が出来上がった時点で安心してしまっている。
  • 会社の課題を整理しただけ(問題点を指摘されただけ)で、止まっている
  • 目標と具体的な行動がセットになっていない(分析診断と、今後の数値目標だけの計画になっているケース。少なくありません。)

これが大きな失敗のケースです。

満足・安心してはいないけど、計画が具体化しない原因も色々とあります。

コンサルタントの作成した計画が、

「計画が実情と離れていた」

「経営改善計画と、将来構想を混同していた」

「自分たちの思いが入っておらず、外部からの押し付けのようになってしまった」

「目標設定自体や具体策が、雲をつかむような話になっていた」など、

計画自体に課題があったり、計画を進めようとした時にハプニングがあったり。理由をあげれば色々と出てきますが、具体的な行動になっていないことは同じ。これで経営改善を実現できるわけもありません。改善計画を立てたら、実行に移す。

行動にしなければ成功することはありません。コストをかけたぶん、経営はさらに悪化するだけ。コンサルタントに頼んだのに全く成果が出ないとか、うまくいかないというケースもここに該当する場合があると感じます。

 

3.適切な目標設定をしていない

経営改善には目的と目標が必要です。

目的とは、なぜ今 経営改善が必要なのか?(将来的にこういう会社にしたい)ということ。目標とは、経営改善によって達成したい数値項目(売上・利益)です。

この目的と目標が設定されていないと、

  • ”目的”が設定されていない → 改善に対するモチベーションが上がらない・改善の大きな方向性が見えない
  • ”目標”が設定されていない → 具体的な改善行動が決まらない

ため、経営改善がうまくいかなくなります。

しかし経営改善に失敗した事例の多くはこの“目的設定”と“目標設定”を軽視してしまっています。

改善は外部に向かってするのではなく、自分達が取り組むことです。これを前提に目的と目標を正しく設定する。改善を具体的に進めていく上で「適切な目標設定」が必要ですし、良く理解しておくことが大事です。

=適切な目標設定のポイント=

①目標は明確であること

なんとなく。「売上を上げたい」「利益を上げたい」では具体的な行動が決まりません。

例えば「利益を上げたい」という目標から、具体策を策定するのは難しい。

「利益を上げたい」をさらにレベルアップさせ、「会社の営業利益を5%上げたい」や「商品の粗利率を7%上げたい」を目標として設定するとどうでしょう。

粗利率を7%上げようとすれば、原材料・製造コストの低減だけではなく、価格の見直しも視野に入れて考えることができます。価格の見直し→値上げであれば、値上げに見合う商品のリニューアルやサービス力の向上も明確になってきます。

この時点で現場の改善行動が具体的になってくるのです。具体的な行動に移すだけの目標設定ができているか。経営改善で失敗する経営者はこれを軽視してしまいがちですし、成功している経営者はこのことをちゃんとできています。

 

②適切な難易度。改善努力目標になっている

2つ目のポイントは目標の難易度。

簡単すぎる目標でも、難しすぎる目標でもダメ。バランスはとても大事です。

=簡単な目標設定・低すぎる目標設定の場合=

例えば、売上を3%アップさせたいと目標設定した時。あなたはどうしますか?

店舗や営業はどうするでしょうか?

おそらくほとんどの場合、「頑張って達成しよう」と気合いと根性論になってしまうことになります。行動は変わらないことがほとんどです。そのうち、気持ちだけが空回りして、目標が達成できないときは、「頑張りが足りないからだ!」ということになります。

これだと改善は進みません。低すぎる改善目標では、行動を変えることは難しいのです。

 

=高すぎる目標・難しすぎる目標設定の場合=

高すぎる目標、難しすぎる目標の場合、そもそも改善しようというモチベーションが上がりません。現場には「どうせ、できるわけがない」という思いが溢れるからです。

しかもタチが悪いのは、目標設定しても「どうせ、できるわけがない」「達成しなくても構わない」が繰り返されるケース。改善が進まないことはもちろんですが、同時に経営者に対する信頼も失われていきます。

「どうせ、また」「また、失敗する」「社長が言っているだけだ・・・」となってしまえば、組織自体が低迷してしまう。目標がいつまでも実現しなければ、達成感を味わうこともできず、到達できないゴールになり、改善に対するやる気をどんどん削いていくことになります。

目安としては、日々の頑張りの1.3倍くらいを目指すこと。

1.3倍の努力・行動変容でできる目標を繰り返していくことが一つの目安です。

 

目標設定が難しい場合は、経営改善のプロ・専門家を活用する方がオススメです。

外部の専門家は自社のことがわからないから。と心配される経営者もいらっしゃいますが、それは間違った専門家に頼ってしまった場合。経営について一緒に話し合い。経営の苦労なども共有しながら進めていける専門家を選ぶことがポイントです。専門家は同業界・他業界・他社の事例経験を踏まえ、自社にとって適切な目標設定をしてくれます。

 

4.専門家やコンサルタントの使い方を間違っている

経営改善に関わる専門家としては、コンサルタントをはじめ、銀行などの金融機関、会計事務所、商工会議所、各県に設置された経営改善センターなど様々なパターンがありますし、その専門家に至るルートもたくさんあります。

その中で経営改善をしたいと相談に来られる経営者の中に、「他のコンサルタントに依頼してうまくいかなかった」と言われる方がいらっしゃいます。コンサルタントや専門家の能力が不足していることも要因にあるかと思いますが、それだけではないケースも存在します。

その方々に共通しているのは「コンサルタントに全て任せた。全てをやってもらおう」としていたケース。他のコンサルタントに依頼したけど、うまくいかなかったと話される経営者の方に、よくよく話を聞いてみると。

  • 現場に対する指示をコンサルタントに丸投げした
  • コンサルタントのいうことを、そのまま100%実行する
  • 改善の場に経営者が関与していない(大きな現場改善の場に経営者が同席していない)

など、コンサルタントや専門家を手配することが経営者の役割だと思い込んでいて、社内の具体的な改善は全てをやってもらおうと考えていることが多くあります。

時には。会社の方向性すら示さず、ただ良くして欲しい。改善して欲しい。と丸投げしているケースも見受けられます。これでは正しい方向性も具体策も、望むような成果も出て来ないのは当然です。

経営者と専門家・コンサルタントの関係性を表現すれば、

経営者=選手

コンサルタント=コーチ

という関係です。(ちなみに言えば。選手とコーチの関係なので、能力だけではなく相性も大きく影響します)

コンサルティングの手法として、その会社に数ヶ月・数年間コンサルタントを派遣し、実社員として籍やテーブルを置き常勤する方法もありますが、これは大きなコストがかかります。

ほとんどのコンサルタントは月に何回か訪問する。それ以外はメール・電話・リモートで対応することが多くあります。その時点で、現場を常に見渡して。というのは難しい。

中小企業の経営改善は、経営者自身が動くことで回り始めます。コンサルタントや専門家はコーチ。選手を外部の視点で見て、客観的にどうしたら良くなるかをアドバイスするのが本業です。

選手は一生懸命走り、プレイするほど自分の姿が見えなくなります。

だからこそ選手とコーチが共に話し合い。

選手はコーチのアドバイスを得て、最高のゴールに向かって動くことができる。

この関係性を理解せず、全てをコーチであるコンサルタントや専門家に任せても結果は出てきません。経営改善は選手とコーチ両輪で進めていくものなのと理解する。コンサルタントや専門家は正しい認識で使わければ、その効果を得ることができません。

【関連記事】中小企業に「上から目線の先生はいらない」|中小企業経営者が本当に選んで欲しい伴走型パートナーについてこちらで詳しく解説しています。

 

5.コストへの考え方を間違う

経営改善をしようとする会社の多くは、“経営が苦しい”というのがほとんど。

順風満帆な財務状況で経営改善というケースは非常に稀です。使えるお金がない。と言われるケースもあります。

とはいえ、全てのコストを抑えてしまえば、何もできないというのが事実。

その時に経営改善で失敗しやすいのは、コストを抑える&削減してしまうことだけに注力した目標へ向かってしまうケース。

  • 削減するコストはどこかを決める。
  • 削減してはいけないコストを見定める。
  • かけた方が良いコストを決める。
  • 削減したぶんを、改善に必要なコストに振り分ける

抑えるコストと、かけるコスト。この両方を考えていくことが大事です。

コストを抑えすぎた結果、会社自体が衰退する・社内の活力が失われる・優秀な人材が離脱する。将来への原動力を失う。といったマイナスパターンも生まれます。目先も大事だけど、目先ばかりを見てコスト削減だけに注力してしまう将来的なデメリットも抑えておく必要があります。

コストのかけ方、抑え方も経営改善の重要なポイントですし、経営者の大事な判断になります。専門家の意見なども参考にしながら、経営者が正しく判断していくことが、経営改善の成功と失敗を決定づけています。

 

経営改善が失敗する5つのポイントまとめ

  • 改善の失敗を環境や他人のせいにしている時点で、改善は何度やっても失敗する。改善のスタート時点ですでに失敗が決まっていることがほとんど。
  • 経営改善計画書を作成して満足してしまうケースも多くある。分厚い計画書も素晴らしい計画も、実行に移さなければ成果は出ない。
  • 目的の設定をする。目標設定は高すぎても、低すぎてもうまくいかない。適切な目標設定を軽視している経営改善はうまくいかない。
  • コンサルタントや専門家の使い方を間違っている。あくまでもコーチ。全てをやってもらうことはできない。走るのは自分たち。一生懸命走るほど、自分たちの姿は見えなくなる。それを外部の視点で客観的にアドバイスしてもらうこと。
  • 経営改善は未来のためにすること。目先のコスト削減に注力しすぎると、会社の未来も活力も失なってしまう。抑えるべきコストとかけるべきコストを見定めて改善をすることが必要になる。

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