菓子店の早期経営改善とメリットについて

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菓子店の早期経営改善

中小企業の利益を3倍にする経営改善コンサルタント本田信輔です。

今回のテーマは菓子店、スイーツショップ、パティスリーなどの早期経営改善とメリットについて。

早期経営改善を簡単にいうと。経営が悪くならないうちに将来を見越して準備をすること。経営という体が手術を必要とする状態になる前に、将来のための体質改善として取り組んでおきましょうとイメージした方が良いかもしれません。

赤字が続いたり、資金繰りが苦しくなってから銀行などに新規融資や返済条件の見直しをお願いする際に提出する“経営改善計画”とは違う取り組みです。

※中小企業庁で推進している「早期経営改善計画の策定支援事業」(補助率3/2、上限20万円の補助金で税理士等の認定支援機関が行う経営計画づくり)を読み込みましたが、この支援事業で具体的なものまで踏み込んで考えられるかどうか不安(分析や診断、フォーマットに落とし込むだけの計画に思えた)なので、早期経営改善を菓子店向けに深掘りして記事を書いています。

話を戻します。

菓子店を始め、中小企業を取り巻く環境は変化しています。このブログを読んでいる経営者の方で「今の良い状態がいつまでも続く」と考えている方はほとんどいないと思います。

高齢化、人口減少、お客さんや従業員の価値観は多様化し、新型コロナウイルスによる今後の生活様式の変化、後継者問題など。中小企業だからこそ経営も先を見越して改善成長していくことが求められます。

これからの経営改善として菓子店が取り組んだ方が良い以下の4テーマ、

①利益率を3倍にする

②日本一単品を育成する

③多才な人材集団づくり

④地域の企業になる

に加え、早期経営改善へ取り組むメリットについてもお伝えしています。

1.利益率を3倍にする

菓子店にとって早期に改善したい第一のテーマは利益率の改善です。

もしもあなたのお店の決算書で経常利益が3%としたら、経営改善で7%〜10%の経常利益になるように経営を見直していきます。利益率を3倍にする。

今後、原材料や人件費がさらに上がり、そこに人口減に伴う売上・客数・販売個数の低減に備えるとしたら。量を追求する薄利多売から、質を重視する高利少売への経営を変えていかなければなりません。特に価格競争力では勝てない中小菓子店・企業の場合、利益に対する根本的な部分の改善が必要になり、商品構成や値づけの見直し、素材に頼らない新しい付加価値づくり、新しい顧客づくり、催事の考え方(値引き型→価値型)の変化などに取り組んでいくことになります。

売上や客数・販売個数が落ちたとしても、高い利益率で利益を確保する経営にシフトしていく時期はすでに近くまで来ています。

例えば。既に早期経営改善に取り組んでいるケーキ屋さんでは、収益性の改善だけではなく、将来の人員減少までも見据えて洋生・プチガトーのアイテム数を減らす取り組みが進んでいます。今まで25アイテム前後あった洋生を15アイテム程度に減らしますが、売り場のボリューム感は維持するために冷蔵ケースのサイズダウンへ投資するなど、先を見ている会社ほど根本的な改善に動きはじめています。

どれだけ売上があったとしても利益がなければ事業は存続できない。売上重視の経営から、利益重視の経営へ移行するとも言えますね。

2.日本一単品を育てる

今後も売上・集客を維持・伸ばしていきたい、利益を確保したい、新規客を獲りたい、Web通販などでも売上を上げていきたいと思うのであれば日本一単品の育成がより効果的になってきます。

これから日本全国、特に地方ではさらに人口が減っていきます。これは商圏人口の減少とともに、働く人も減ってくということ。つまり・・・より広域からの集客を目指し、絞り込まれた店舗数で売上・利益を生み出していくことが必要になります。Webでの集客・販売なども重要になってくるでしょう。(実際、地方では働く人がいなくて店舗の営業日数を減らさざるを得ない状況が既に起きています)

そこで重要な要素となるのが“日本一単品の育成”

ブランド力、認知度、集客力、ホームページ等のSEO対策に大きな効果を発揮し、経営においては収益性向上にもつながる重要戦略です。

ちなみにいうと日本で2番目というのは意味がありません。隣に菓子店があってもネットで全国から商品が買える時代、わざわざ日本で2番目を選ぶ消費者はいません。やはり日本一を狙うことが大事です。

日本一単品を育てるために商品自体の品質向上はもちろんですが、社内の統一意識づくり、訴求内容の強化、主力商品の深掘り、提供方法の多角化、主力商品育成催事など、主力商品の育成は一朝一夕にできるものではありません。“日本一を目指す”ことを掲げることからはじめ、時間をかけて強い日本一の主力商品を育てていくことになります。経営状況が悪くなってから“主力商品を育てよう”では間に合わない。だからこそ早い段階から取り組んでおいた方が良いと思います。

3.多才な人材集団づくり

組織や人材についての考え方は次世代を見据えたものが必要です。新たな人材についての考え方を持った菓子店・企業は既に新しい成長段階へ入っています。

今までの菓子店は製造(製造技術・効率化)と販売(販売力)といった部署別に加え、管理職(工場長・店長・リーダー)などの人材育成を行なってきましたが、今後はさらに多才な人材育成が必要になってきます。

ある意味では多才深掘りしたオタク的な長所を活かす人材育成。

デザイン、カメラ、SNS、ゲーム、アニメ、フィギュア、アート、環境、自然、アウトドアなど個人のオタク的な趣味と仕事をつなげて活かす組織づくりです。

ケーキやアイシングクッキー、販売現場のディスプレイなどはデザイン力がさらに求められます。お菓子の立体的なデザインはフィギュアなどの立体模型を趣味にする人にとって得意分野です。スマホの普及によってホームページやSNS・チラシなどの集客では写真のクオリティが重要になりました。これは日々スマホで写真をどうやったら綺麗に撮れるかを考えている人やカメラを趣味とする人たちが得意とする分野。ゲームが得意な人は戦略性が高く、現場の効率化や新しい管理などに強みを発揮する事例もあります。

お菓子を作る技術、上手に販売する技術、人をマネジメントする技術に加えオタク的な技術や知識をもつ人材を育て・活かすことが多才な人材集団づくり。

これからの時代、“働く”という概念は大きく変化しています。

お金のために働くのではなく“趣味のように働く”(変な言い方になりますが「自分の好きなことで稼ぐ」時代になったということ) 若い世代の新しい働きへの意識と、会社・お店をうまくつなげていくことを考える。それが強い組織を作り、優秀な人材の確保や採用にもプラスの効果が出てきます。

4.地域の企業になる

これから成長発展・永続を目指していくのであれば、お菓子を柱に持ちながら地域の他食品業、非食品業(工芸・文化・伝統・アートなど)、農業、サービス業、介護、飲食業などと連携した新しい事業展開を考えておくことも重要な戦略。ただの菓子屋ではなく、地域の企業として成長発展する戦略です。菓子以外の商品を扱う地域商社としての新展開や、観光業の道の駅や産直と連携する菓子店・中小企業も既出しています。

“地域の企業”として今までの地場産素材を使ったお菓子を作るということだけではなく、新しい地域との連携へ領域を超えて考えていく必要があります。

実際、クリスマス時期に自社のケーキだけではなく、地域の飲食店がテイクアウトで提供するチキンやお刺身などを予約販売した菓子店は、今までとは違う売上を大きく獲得する結果になっています。

お菓子づくりの強みだけではなく、菓子店として別の強みを活かす(他の商品と組み合わせて相性が良い、比較的客数が多い、女性客が多い、ターゲットが設定しやすいなど)ことは地域全体を巻き込んだ事業展開へ持っていくことに有利に働きます。

いきなり他と連携しようとしてもなかなか難しいので、時間をかけて少しずつ取り組みを進めていくことがほとんどです。

5.菓子店が早期経営改善に取り組むメリット

やはり、今経営が良い会社の特徴はちゃんと準備してきた会社。将来を見越し、次の一手に取り組んできた経営者の成果です。私たちのクライアントも早いうちから準備をしてきているので、ちゃんと業績をあげたり、高い利益を維持することができています。

早いうちから次の準備をしておく、早期経営改善にはたくさんのメリットがありますのでご紹介します。

(1)積極的に新しいチャレンジができる

経営が良い状態であれば、資金的にも、時間的にも、経営者の気持ち的にも新しいチャレンジがしやすくなります。従業員も新しいチャレンジに協力してくれることも増えてきます。逆に経営状態が悪く・資金も不足していれば、守りに入りやすく新しいチャレンジに挑むのは躊躇してしまいがちですし、チャレンジしたとしても中途半端な取り組みになってしまいます。

経営が良い状態の時のチャレンジには大胆さも生まれます。自社の強みを活かし、資金や時間的な余裕も持ちながらじっくりと挑むことで、他者との違いもより大きく明確に作ることができます。

(2)業界・地域内の先駆者メリットがある

新しい取り組みにいち早く取り組むことで、他社競合が追従してきた時には、既に社内にノウハウの蓄積や、取り組みを実行できる人材が育っている。失敗するポイントなどもわかっている。地域内に確立した認知度がある。これが先駆者メリットです。

世の中で“成功事例”あるいは“モデル企業”と呼ばれているところは、まさにいち早く新しいことに取り組んだ会社。成功の裏には様々な失敗や苦労もありますが、それを超えるだけのメリットがあります。

(3)無駄な出費がなくなる・コストが抑えられる

これは経営改善計画と比較するとよくわかります。ある企業で相談を受けた事例ですが、経営が悪化して新規融資を銀行に依頼しようとしたら、経営改善計画書の作成を条件とされたそうです。銀行の関連コンサルタント会社が作成したのですが、その費用は年商の1%。年商8億円の会社だったので費用は800万円を支払って経営改善計画書を作成したのですが、内容は銀行的な分析や診断ばかりで経営改善につながるような提案や具体策はなかったそうです。経営者や経理担当に言わせれば「このウン百万円は経営にとって全くの無駄金だった」と。

お金を借りるためだけの無駄なコストです。「もしも早期に経営改善していれば、この無駄な出費は必要なかった。早期に対策をコンサルタントに依頼して取り組んでいれば、ここまでの費用はかからずに改善できたと思うし、新しいチャレンジもできたはず。早いうちに改善できて入れば、利益のプラスもあった」と。

たらればの話になっていますが、これが現実。この会社の経理担当の方の言葉からも、新しいチャレンジによる利益も考えれば、早期に経営改善するか、経営状況が悪くなってから改善するかどちらが良いかわかると思います。

(4)銀行や自治体・行政が応援してくれる

先を見て新しいことにチャレンジする姿は銀行などの金融機関や自治体・行政、地域の企業も見ています。チャレンジの結果、経営状況がさらに良くなれば銀行もより会社に有利な条件で融資をしてくれるようになりますし、有益な情報も教えてくれるようになります。

自治体や行政であれば補助金・助成金の情報を教えてくれたり、地域で新たに取り組む新プロジェクトなどにも声がけしてくれるようになります。これらの協力体制は、これからの会社経営や新しい菓子店のあり方を進める上で大きな応援になります。

(5)利益が大きく上がる

根本的な改善をした会社の利益は上がります。値づけの見直しによる利益アップは半年もかからず成果が出てきます。年商1億円の菓子店で利益率が5%上がったら・・・年間で500万円近く利益が増えることになります。会社の経営にとってはもちろんプラス。上がった利益の一部を役員や従業員給与に還元することもできますし、新しいチャレンジをすることで将来に対する準備をさらに進めることができます。

早く改善に着手することで、利益アップの恩恵を早い時期から享受できるのは大きなメリット。「利益が上がらないな」と思いながら何もしない5年間と、早期経営改善で毎年500万円の利益をプラスした5年間では、利益ベースで2500万円の差があります。この2500万円の利益差は経営にとってどれだけ大きいか。改善の年数が早ければ早いほど、この利益差はさらに大きくなっていきます。

早期経営改善にはたくさんのメリットがあります。これは経営が悪化してから行う経営改善では得ることができない要素ばかりです。一方デメリットは少しだけ時間とお金を投資するということ。そして何よりも従業員に対して未来を説明し、理解をしてもらうための経営者の労力です。

そのデメリットや労力に対して、早期経営改善で得られる価値ははるかに大きなものだということを成功した経営者は実感しています。

未来を見越して経営改善に早く取り組むか、今が良いからと後伸ばしにするかは経営者が決断することですが、その未来は全然違うということをご理解いただけると良いです。

6.早期経営改善は経営者の仕事

結局のところ。中小企業であればあるほど、経営者がどれだけ先を見て、将来起こるであろう課題や不安に対して準備ができるかどうか。ここに経営の永続がかかっています。しかもこのことは経営者しかできない。言いかえれば経営者だからこそできることです。

自分たちの将来像はどうするのか?将来の不安はどこにあるか?その時の課題はどこか?を考え、将来に対しての取り組みを進める。

これは経営コンサルタントとして様々な事例を見てきた立場からお伝えしますが、経営が悪くなってから劇的に改善するV字回復というのはかなり難しいです。極度に経営が悪くなり打つ手なしとなれば、コンサルタントとして依頼を受けるかどうか判断しなくてはならない企業もありますし、会社や事業があなたの手から離れることもあります。

少ない資金や人材、経営者の不安が大きな状態で改善に取り組むことは、労力も時間もかかります。

一見すると華々しいV字回復事例の裏側には多くの倒産・廃業した会社が存在しています。経営が悪化する前に“先を見越した経営改善を行う”ことは経営者の仕事であろうと思いますし、良いうちに将来へのチャレンジをしている経営者が生き残っているとも言えます。

あなたはいかがですか?

今が良いからといって、将来の不安解消を先延ばしにしていませんか。

先々を見据えた早期経営改善にはたくさんのメリットがあります。

やるかどうか、早ければ早いほどそのメリットを享受することができます。

まだまだ大丈夫は通じない。他を見るのではなく、自分の会社やお店の将来を見て欲しいなと思います。

お気軽にご相談ください。

弊社ではこれまで開業してから約300件のご相談を承り、そのうち約160件の企業・事業者さんのご支援を行いました。多くのクライアントが経営改善で成果を出し、将来への準備にも着手してもらっています。もしお困りのことがございましたら、お力になれる点があるかと思いますので、お気軽にご連絡ください。

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菓子店・スイーツショップの経営コンサルタント

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